ビューティー花壇(久々の仕手株登場)

コラム
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重要度 ★★

ビューティー花壇という銘柄が5月の株式市場の大きな話題になりました。

仕手株というのは材料もなく株価を大きく吊り上げたりするわけですが、仕手株自体は定期的に見られるものでありそれほど珍しいわけではありません。

しかし、今回の吊り上げ方は今までに例を見ないほど派手なものでした。

空売りで捕まってしまい、大きな損失を出してしまったトレーダーも見られました。

今回はビューティー花壇のエグすぎる吊り上げ方と、実際に大きな損失を被ったトレーダーの生の声を取り上げていきたいと思います。
 
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連日のストップ高を挟み株価は約7倍へ

ビューティー花壇の急騰前の株価は300円台ほどでしたが、連日のストップ高を経て2409円まで上昇がありました。
この動きの中でも、3日連続ストップ高、そして値幅拡大を受けての5月16日の1200円つけたギャップアップは凄まじい動きでした。

ビューティー花壇 日足チャート

ルル
ルル
これ株価400円台で捕まってた人も2274円まで全く逃げ場が無かったってことになるね。
さすがにエグすぎるだろw
 
仕手株というのは総じて目標まで上げきったら、あとはダラダラ下がっていくものです。
しかし、それは理解していても捕まってる人達からすればどこまで上がるのかという恐怖や不安に支配され、一刻も早く損切りしたいと思うのが普通です。
 
ルル
ルル
その辺の心理をしっかり突いてきた感じがするねー
やっぱり5月16日2274円で寄った時に、切らざるを得なかった人は多いかと思う。
 
ビューティー花壇は小型株で板も薄いため、基本的には小資金の個人トレーダーが売買をしていたのではないかと思います。
100万円〜200万円ぐらいの資金の個人トレーダーも多いことを考えれば、500株〜1000株ほどの空売りポジションを取った人が多かったのではないでしょうか。
仮に374円で空売りしたとして、2274円まで担がれれば1900円も担がれた事になります。
 
 
ルル
ルル
500株なら95万、1000株なら190万か
ひどい話だねー
 
追証はもちろんのこと、下手をすれば借金に追い込まれるほどの値動きであったことがよくわかりますね。
 

ビューティー花壇で大損失を被った話

ここからは実際にビューティー花壇でとことん踏み上げられ、大きな損失を出してしまったトレーダーの生の声を取り上げていきます。

この方はご自分のブログにて今回のトレード内容をアップしています。

私はこういった事案が起こるたび、自分も絶対に気を付けようと教訓にするようにしています。

ですから、これからその方のブログを丸々引用させていただきますが、もちろん晒すというような意図はなく、教訓として共有すべき内容だと思っているから行うということをご理解いただきたいと思います。

やはりトレードの世界は予想もしないような事が起こる世界ですから、ビューティー花壇の動きみたいに、一発で退場に追い込まれるような事案はしっかり目に焼き付けておく必要があるかと思います。

特に大きく勝っている時ほど、気を引き締め直すように常に心がけています。

 

以下 JJR’s blog 引用

熊本の生花卸会社。生花祭壇の企画提案・制作・設営。年間売上は50〜60億。純利益はよくて1億円程度。

上場会社としてはかなり小型。私は10年来当社の株主で、優待・高配当銘柄なので少し持ちながら、たまにスパイクするので一瞬上げたところで売却して回転させていてた。
ここ数年ほどはほぼ200〜300円のレンジで推移していたので、今回もいつもの一瞬の上昇だと思い、初動で全株売却して、さらに空売りを入れてしまった。そこからもの凄く踏みあげられ15日月曜時点で1074円まで来た。夜間PTSでは翌日の値幅制限が4倍に拡大された高値いっぱいの2274円で約定している。平均400円で500株持っているので既に(2274-400)×500=937,000円の損失。ストップ高になってから知った株だったらリスクを負って参戦することはなかったが、下手に長年見てきた銘柄で注文も指値で入れっぱなしだったので初動で約定してしまった。

 

会社からは全く発表もなく、業績が何倍にもなるという思惑もない(15日引け後に決算短信が出たが、経常利益1.1億、純利益9000万と、特にサプライズもない。)。要するにこれは完全に仕手戦に突入。1単元3万円程度の株で通常であれば負うはずのなかったリスクを負ってしまった。ストップ高なので、買い戻そうと思って注文を入れても約定しない。損失が毎日倍増していくのを見ながらどうすることもできない。追証まであと一歩。一日中、冷や汗と動悸が止まらない。

中略

発行済株式数は5,076,000株だが、出来高は9,10日の2日間で419万株、四季報によると自己株や経営陣の持株で6割ほどを占め、浮動株は20%(100万株)しかない。既に既存の株主は手放して投機目的の取引者しか残っていないと思われる。

 

トンピンと言う仕手師のことも、小型株の信用売りが危険だと言うこともこの相場に捕まってから初めて知った。浮動株が100万株だとすると上昇前の300円で3億円くらいあれば市場に出回る株を買い占めることができるので売り物がなくなり天井知らずで上げることができる。相場格言の「買いは家まで、売りは命まで」とは頭に入っていたが、ラインを超えたところで損切りすればいいと思っていたし、こんなに急激に逃げ場のないまま上がり続けるとは思わなかった。買いから入れば1単元4万円が最悪1円になるまでだが、売りから入ると理論上は損失が無限に増えていく。後で必ず下がるとわかってはいても、どこまで膨らむかわからない含み損を抱えて損失が最大になったところで耐えられなくなり強制決済される恐怖もある。逆日歩が発生して持っているだけで費用が膨らんでいく。資金力も精神力も持たない。

 

東証や証券取引等監視委員会にも通報し、後に起訴されるだろうが、それで私の損失が返ってくるわけではない。

市場の浮動株は既に買い占められ値がつかない状態となっていますが、寄り付いた瞬間手仕舞いとなりストップ安を迎えると思われます。
このような悪質な相場操縦、不公正取引を放置しては市場に混乱をもたらし、この銘柄は当分正常な取引が行えない状態となると思われます。
即刻売買を停止させ、当該買い占めている人物の摘発と市場への発表を行ってください。

以上引用でした。

いかがでしたでしょうか?

 

たった20万円ほどで建てたポジションが、逃げ場なく93万7000円の損失になってしまうのですから、これはきついですね。

何より、精神的なダメージの方が大きかったのではないでしょうか?

日に日に含み損が膨らんでいき、それがどこまで膨らむのかがまったくわからない。

この間の日常生活はまともに送れるはずはありません。

私は資金管理について再三徹底するようにと言いますが、それはこのような事になってほしくないからです。

私自身も経験済みですが、大きな含み損を抱えながら日々の生活を送るのはけっこうしんどいです。

人生を豊かにしたくて始めた投資が、逆に人生を辛くつまらないものにしてしまう。

そんな事があってほしくないと思っています。

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ビューティー花壇に学ぶ、リスク管理の徹底とは?

ビューティー花壇で損失を被った方の話を紹介しましたが、具体的には何が問題点としてあげられるのでしょうか?

1つ1つ生の声から問題点と向き合っていきましょう。

レンジの動きだと高を括った事

「ここ数年ほどはほぼ200〜300円のレンジで推移していたので、今回もいつもの一瞬の上昇だと思い、初動で全株売却して、さらに空売りを入れてしまった。」

とありますが、この方が実際に空売りを入れたのが最初にストップ高になった初動の400円です。

ということは、すでに長らく機能していたであろうレンジは明確にブレイクしていることになります。

レンジ相場においては、レンジの下で買って上で売るというのは100%正解のやり方でしょう。

しかしレンジ相場が終わればトレンド相場に移行する、というのがチャートの基本的な値動きです。

300円で空売りを入れていたのならまだしも、400円で空売りを入れるというのはそもそもレンジ相場のアプローチとしては間違っています。

すでにレンジ相場は終わったんだという認識を持たなかったことが問題だったかと思います。

小型株での空売りは厳禁

当サイトでも空売りの記事ですでに紹介していますが、小型株の空売りはそもそも厳禁です。

株の空売りのやり方と注意点
空売りは株の世界ではあまり推奨されない。買いは家まで売りは命まで、という格言の通り空売りには大きなリスクを伴うことがあるからである。しかし、絶好の売りエントリーチャンスというのも当然存在し、リスク管理をしっかり行えばそれらのエントリーチャンスは見過ごすべきではない。

「小型株の信用売りが危険だと言うこともこの相場に捕まってから初めて知った。」

と書かれていますが、私はこれを見て改めてがっくりとしてしまいました。

小型株の空売りは危険、というのはさすがにほとんどのトレーダーが頭では理解しているような基本的な内容だと思っていましたので、そもそも聞いたことがないトレーダーもいるということに驚きました。

やはりトレードの基礎知識はどこかでしっかり勉強してトレードを始めるべきだし、それを発信する側ももっと増え、質も上がっていかなければならないのだと思いました。

仕手株の怖ろしさを教訓にする

「相場格言の買いは家まで、売りは命までとは頭に入っていたが、ラインを超えたところで損切りすればいいと思っていたし、こんなに急激に逃げ場のないまま上がり続けるとは思わなかった。」

と書かれていますが、やはり仕手株に対する認識が甘すぎたと言っていいかと思います。

とはいえ今回のビューティー花壇ほど容赦のない上昇は仕手株の中でも珍しいのですが、しかしこういう事も起こるのが株式市場なのです。

仕手株だけではなく、上場廃止や大事件などなど、過去にとんでもない値動きをしてきた銘柄はたくさんあります。

当サイトでもいくつか紹介をしていますが、これらはデータとしてせっかく残っているのですから、我々トレーダーは絶対に教訓にして、リスク管理を徹底していかなければなりません。

ビューティー花壇まとめ

  • 小型株の貸借銘柄は空売り絶対ダメ
  • レンジをブレイクしたら安易に逆張りしない
  • 仕手株の怖ろしさを過去データを見てしっかり身に刻んでおく
  • 仕手株だけではなく、派手な動きをした過去チャートはよく見ておく

 

 
 
 

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