チャートパターンはトレンドの継続や反転のサインとして活用することができます。
チャートパターンを知ることで、今後相場がどちらへ動くのかというイメージが湧くこともあるでしょう。
もちろんチャートパターンのみで判断すると痛い目に合うこともあるので、ダウ理論や水平線やエリオット波動など他のテクニカル分析と併用して使うようにしましょう。
チャートパターンは実は何種類も存在するのですが、今回は有名どころのものを紹介していきます。
リバーサル(反転)のチャートパターン
相場の天井もしくは底で出現するチャートパターンです。
- ダブルトップ(ダブルボトム)
- トリプルトップ(トリプルボトム)
- ヘッドアンドショルダー(逆ヘッドアンドショルダー)
- スパイクトップ(スパイクボトム)
- ソーサートップ(ソーサーボトム)
これらのチャートパターンが出現すれば相場が反転する可能性があります。
ただし、反転のチャートパターンが出たから絶対反転すると思うのはやめましょう。
実際のチャートを検証してみると、たしかに底や天井でこれらのチャートパターンが出ることは多いです。
しかし、底や天井以外の何でもないところで出ることも多々あります。

ダマしのチャートパターンってやつだね。
ダブルトップと思ったらただの修正波だった、というようなケースはけっこう多いから気を付けよう。
結局のところ、完成するまではそれがダマしかどうかは誰にもわからないのが真理だ。
ダブルトップとダブルボトムの特徴とは?
それでは1つ1つ解説を行っていきたいと思います。
ダブルトップはM型、ダブルボトムはW型のチャートパターンになります。
ここではダブルトップを例に説明していきます。
2つの山(天井)を形成し、前回の安値(ネックライン)を割ったところでダブルトップは完成するとされています。
2つの山はほぼ同じような価格であり、2つ目の山が1つ目の山を少し超えるような形もダブルトップに含まれます。
上の絵では赤いラインがネックラインにあたるのですが、ダウ理論で学んだ押し安値と同様に考えていただいていいかと思います。


2つ目の高値の方が高いパターンってのがけっこうやっかいだね。
ダウ理論的にはそれまでは上昇トレンド継続ってわけだからね。
押し安値を割って初めて気づくのでは少し遅いかもなー。
ここで1つ重要なアドバイスがあります。
株や先物のチャートであれば、チャートパターンを見る時には一緒に出来高を見る事をおすすめします。
ダブルトップのチャートパターンであれば、2つ目の山を作るときは1つ目の山を作るときよりも出来高が減少していることが多いです。
そして、さらにはネックラインを割ってくる下落の場面でもっとも出来高が増えるという現象も多々見られます。

出来高は価格に先行する。
出来高が減った上昇は常に注意して見るくせをつけるといいぞ。
詳しくは出来高の記事を参考にしてみてほしいと思う。

トリプルトップとトリプルボトムの特徴とは?
トリプルトップとトリプルボトムは3つの天井、底を形成したチャートパターンになります。
基本的にはダブルトップ、ダブルボトムと同じ考え方でOKです。
ただし、トリプルトップと思っていた動きがただのレンジ相場の調整だった、というようなケースもよくありますので注意が必要です。

こんなレンジ相場はしょっちゅう起こるから、決め打ちは危険だね。
もし空売りをしていた場合は、上にブレイクしたらすぐ損切りしなければいけないケースだろう。
すぐに損切りを実行するには、このようなケースも想定した上でエントリーをする必要があります。
想定をしていないと、思考停止に陥って損切りが遅れるものです。
このケースを防ぐには、ダブルトップ同様にネックラインを明確に割ってくるかどうかを見ておくのが良いかと思います。
ネックラインを下割ったあと、ネックラインまでの戻しがあればそこは絶好の売りエントリーのチャンスになることがあります。
これはダブルトップの場合も同様なのでテクニックとして覚えておくといいと思います。

水平線のロールリバーサルの原理だね。
基本のエントリー戦略だが、実戦ですぐ使えるレベルに持っていくために何度も復習して覚えるようにしておこう。

ヘッドアンドショルダーと逆ヘッドアンドショルダーの特徴とは?
ヘッドアンドショルダー(三尊)と逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)は3つの天井と底を形成するリバーサルチャートパターンです。
3つの天井と底のうち2つ目がもっとも高く(安く)なり、1つ目と3つ目が同じような価格になるのが特徴です。
2つ目の天井の部分が頭、1つ目と3つ目の天井の部分が肩に見えるのでヘッドアンドショルダーという名前になっています。
さてヘッドアンドショルダーを例に説明しますが、ヘッドアンドショルダーは非常に出現率が高いリバーサルのチャートパターンですが、初心者のうちはけっこう気づきにくいです。
ダブルトップのところでも説明しましたが、頭の部分の形成まではごく普通の上昇トレンドのチャートだからです。
ネックラインを割る時はけっこう強い下落になることも多いので、注意が必要なチャートパターンです。

以前も言ったが、注意が必要ということは裏を返せば売りで大きくとれるチャンスがあるチャートパターンになる。
ぜひ売りで狙えるようによく研究をしてほしいと思う。
ヘッドアンドショルダーを見極める時も出来高は有効になります。
- 左肩を形成する時より頭を形成する時の方が出来高が少ない
- ネックラインを割る時の下落がもっとも出来高が多い
- 右肩を形成する時も出来高が少ない
このような特徴が見られたらヘッドアンドショルダーを形成中である確率が高まります。
では、売りエントリーはどこを狙えるでしょうか?
教科書的には、やはり先ほども説明したようにネックラインを明確に割ってから、戻りを待つやり方です。
しかし、私の場合は右肩での空売りエントリーを常に狙っています。
上の絵では、ネックラインは平行な角度になっていますが、実際のチャートでは右肩下がりだったり右肩上がりだったりします。
右肩下がりのネックラインの時は、私は間違いなくエントリーを狙う形です。
この形であればネックラインを割る前でもエントリーを狙う価値があります。

理由はわかるよね?
ダウ理論的に押し安値を明確に割ったあとの戻しを狙っているので、比較的勝率は高いトレードになるわけだ。
ここが今回もっとも重要な説明になるのですが、先ほどの水平線のロールリバーサルの話や、今回のダウ理論の押し安値の話
それぞれを個別に理解するのではなく、こうやってチャートパターンと併用して使うということを覚えていく。
重要なテクニカル分析はすべてつながっているわけです。
スパイクトップとスパイクボトムの特徴とは?
スパイクトップとスパイクボトムはエリオット波動の記事で紹介したV波動と同じですね。

マネックス証券より引用
スパイクボトムは別名で「V字ボトム」、日本名で「尖端底」などと呼ばれています。またスパイクトップは、「V字トップ」、「尖端天井」と呼ばれています。パターン形成時に一方向へ急激かつ鋭角なトレンドを形成します。
スパイクトップは、天井をつける前に力強い上昇を見せるのが通例です。まさに「押し目待ちに押し目なし」、「買いが買いを呼ぶ」展開で水準を切り上げ続け、高値を更新し続けます。しかし、ある日突然、何かのきっかけで急落し、その後買い手に逃げるチャンスをほとんど与えないほどの大幅下落となります。それまでの上昇トレンドが嘘のように急落するのがこのパターンの特徴です。
マネックス証券より引用
スパイクボトムは、スパイクトップの逆のパターンになります。
このようにスパイクフォーメーションは、相場の怖さを思い知るチャートパターンの一つといえます。
というわけで、スパイクはかなりハイリスクな動きをするのであまりおすすめができません。
ハイリターンでもあることは間違いないのですが、狙いどころが非常に難しいのでエントリーは簡単ではありません。
このパターンは多くは仕手株、材料株、または大きなニュースを伴った値動きとなっているので、常識はずれな値動きをするので最初は見るだけにしておいたほうがいいでしょう。
V字の左側も激しく動いた結果、右側も激しく動くというケースが多いです。
つまり、左側でギャップをつけたり一直線に動いたりしているので、サポートラインやレジスタンスラインが存在せず右側でも急に動くのだと思われます。
サポートラインやレジスタンスが無いので狙う場所が存在しない、というわけです。
ソーサートップ、ソーサーボトムの特徴とは?
鍋底型とも言われるソーサーですが、こちらもとても狙えるようなチャートパターンではないため、さらっと紹介するだけにしておきましょう。
マネックス証券より引用
マネックス証券より引用
比較的長期間うだうだした動きが続いたあと、相場が動くようなパターンです。
うだうだしている間は出来高も少ないのでこの中でエントリーを狙うのは現実的ではありません。
出来高を伴って相場が動き出してから改めて狙うようにしましょう。
トレンド継続を示すチャートパターン
トレンドが反転するチャートパターンをたくさん紹介してきましたが、トレンドというのはある程度長く継続するものであるので、トレンド継続を示すチャートパターンの方が出現率は高いです。
トレンド継続を示すチャートパターンは大きく分けてトライアングルとフラッグの2種類だけですので、しっかり覚えおきましょう。
トライアングルは3種類の形が存在する
トライアングルはエリオット波動で紹介した修正波の中の1つの種類と考えてもらって構いません。
つまりトレンドの最中の押し目や、踊り場、休憩地点のような感じですね。
またP波動のペナントと同じ形になります。
厳密にはペナントは短期間、トライアングルは中長期のものとされていますが、あまり細かい事は気にしない方がよいでしょう。

トライアングル形成後は再び元々のトレンドに戻るため、比較的強い値動きが見られるという特徴もあるぞ。
なので、トライアングルのブレイクと同時にエントリーを狙う手法は有名なやり方だ。
マネックス証券より引用
上の絵のように、トライアングルの上辺と下辺が同じような角度になっている形はシンメトリカルトライアングルと言います。
オーソドックスなトライアングルと思ってもらってよいかと思います。
マネックス証券より引用
こちらは上辺が水平で下辺が切りあがっています。
このような形をアセンディングトライアングルと言い、強気なトライアングルとされています。
強気とはつまりシンメトリカルトライアングルより上昇が期待できるということですね。
マネックス証券より引用
こちらは逆ですね。
このような形をディセンディングトライアングルと言い、弱気なトライアングルとされています。
ただし、ディセンディングトライアングル形成から上昇するケースもよくありますので、それまでのトレンドの方向を重視した方がよいかと思われます。
フラッグはトレンドと逆の傾きをする
フラッグは旗のような形をしていることからその名前が付いています。
上の絵のように上昇トレンドの場合、下向きのレンジを形成します。
つまりトレンドと逆の傾きをするので、買いでポジションを持っている場合は少々不安にさせられます。
しかしここで手放すと後悔することになるでしょう。

こちらもトライアングルと同様、上にブレイクしたら大きく動く可能性がある形となっている。
調整というのは時間が長ければ長いほど、のちの上昇も強いものになりやすいので、横軸の時間にも注目してもらいたいと思う。
基本のチャートパターンまとめ
今回は基本的なチャートパターンについて説明をしてきました。
他にもチャートパターンは色々あるのですが、メインどころとなるのは今回紹介したものになるでしょう。
チャートパターンの形を覚える事は重要なのですが、やはりもっとも大事なことはそのチャートパターンが出現したらどうするのか?ということになります。
ヘッドアンドショルダーのエントリーの仕方を今回は説明しましたが、「こういう形になったらこうする」というあらかじめ決められたエントリー方法を、チャートパターンから考えていくのはアリだと思います。
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