コロナショックを振り返る

コラム
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2020年の初め頃からコロナショックは始まりました。

24000円ほどだった日経平均は16000円まであっという間に下がってしまったのは皆さんも記憶に新しいかと思います。

コロナショックはおそらく今後何十年も語り継がれるほどの値動きとなったでしょう。
2008年のリーマンショックや、2015年のチャイナショックなど、やはり大暴落相場というのは定期的に起こるものです。
我々トレーダーはコロナショックの値動きを教訓にして、次のショック時にも的確にトレードをしていく必要があるでしょう
今回はそんなコロナショックをリアルタイムで見てきた私の経験をふまえ、振り返っていきたいと思います。

異常な値動きだったコロナショック

トレードの世界ではどんな事も起こり得る、そんなことは私も十分理解していたつもりでしたが、コロナショックには驚かされました。
株価の動きよりもまず、自分達の生活にこれだけの変化が起きるという事態に困惑しました。
経済活動がストップし、景気悪化の流れになることは誰の目からも明らかでした。
日経平均はもちろん大きく下がりましたが、それ以上にアメリカは下げました。
2020年2月の高値29568ドルから、3月の安値18213ドルまでの下落がありました。
およそ1ヶ月間で40%ほどの暴落が起こってしまったのです。
2008年のリーマンショックの方が下げ幅が大きいと言われたりもしますが、リーマンショックの場合はおよそ1年半ほどかけて下落が続いた、という動きでした。(私はまだ投資をしていなかった頃ですが)対してコロナショックは1ヶ月ちょっとでその下げ幅の全てを達成してしまったので、暴落のスピードは比べるまでもありません。

1枚目の画像がリーマンショック時のチャート、2枚目がコロナショック時のものになります。

下落のスピード、さらに未知なるものへの恐怖、そしてそれが自分自身にも降りかかるかもしれないという不安

それらを考慮すれば、私はコロナショックはリーマンショックよりもはるかに怖ろしい値動きだったのではないかと思っています。

常識を覆すコロナショック後の動き

コロナショックの下げ幅には驚かされましたが、それ以上にその後の値動きにも驚かされました。

ご存じの通りですが、コロナショックでの下げ幅を全て戻しただけではなく、アメリカ株はさらに高値をどんどん更新していきました。

ダウは18213ドルがコロナショックでの底でしたから、そこから2倍に上がっていったことになります。

政府の大規模な財政出動によって金余りの状態が出来上がり、それが株式市場に流れたと言われています。

一体ここまでの動きを誰が予想できたでしょうか?

私が知る限りではこの値動きを読めていた人はいません。

私もそうでしたが、どこかのタイミングでさらなる感染爆発が起きてまた下落すると考えている人が圧倒的多数でした。

私などはチャートはN字で動くことを重視した分析をしているので、なおさらこのようなイメージを強く持っていました。

この上昇相場で、先物界隈ではショートで負ける人が続出しました。

日経平均も16300円あたりから30700円あたりまでの上昇がありました。

こんな異常な上昇相場はアベノミクス以来だと思いますが、当時とはベースとなっている株価が違いますし、ボラティリティも大きいかと思います。

日経平均が15000円動くということは、先物のミニ1枚でも150万円動くということになります。

もちろん限月というものがありますので、まるまる15000円分負けた人はそうそういないでしょうが、この1年間の上昇相場で大負けをした先物トレーダーはめちゃくちゃ多かったです。(私もまあまあやられました)

  • コロナによって景気は確実に悪くなる
  • コロナは短期的なものではなく、今後しばらく続いていく
  • コロナ前の水準に戻るには相当時間がかかる

これらが多くの人の共通認識であり、たしかにどれも正しかったと思います。

でもこれらの理由で、「だから株価は上がらない」と結論づけたのは大きな間違いだったわけです。

コロナショックは「株価は実体経済を先行する」という我々の常識を覆しました。

やはりほとんどの人がこうなるだろう、と思っていることは実現しないのが相場の世界です。

圧倒的多数派に属した時は警戒をしなければならないし、トレードの世界ではどんなことも起こり得るのだと、改めて思わされた値動きとなりました。

暴落時に買い向かうトレード戦略

コロナショックで「絶好の買い場だ」と買い向かったトレーダーは完全なる勝ち組だと思います。

これまで何度も暴落相場がありましたが、結果としてはすべてが元の価格に戻り、やがてはさらに高値を更新していっています。

ですから長期投資は最強のトレード戦略なのです。

しかしそれは今後も同じことが続くのであれば、というのが前提ですが。

長期投資のトレーダーはその前提に自信を持っています。何%下がったら買い向かう、損切りは行わない、利確はどこで行うか…などなどトレードプランに一貫性を持っています。

ですから暴落時に買い向かうことができるし、ポジションを持ったあとも値動きにぶらされにくいのです。

コロナショックの暴落時に買い向かうというのは、先ほどのN字チャートのようにさらなる暴落のイメージを持っていたらとても精神的に難しいものになります。

それに暴落時というのはとにかくネガティブなニュースばかりが流れてきます。

2015年のチャイナショックでは、とにかく中国で起きたことが事細かに意識される相場でした。

「中国のバブルがついに崩壊した」「これから大恐慌が起きる」「中国でクーデターが起こっている」

などなどいろんな事が言われていました。

今となっては笑い話かもしれませんが、その当時はかなり緊迫した雰囲気がありました。

まあチャイナショックの下落は、どちらかというと2016年にかけての3波目の下落の方がきつかった印象が強いです。

発端は中国の経済指標でしたが、そこから世界経済も下振れし、様々な影響を及ぼしていきました。

特に日本では円高が強烈に進んでしまい、アベノミクス後125円台まで上げたドル円が99円台まで下がってしまいました。

世界的にもこの間はブレグジットも起きましたし、原油安アメリカ大統領選も控える、という環境にあり、かなり混迷した時期だと言えます。

こういったところで買っていけるというのは、やはり一貫したトレードプランがないとできるものではありません。

コロナショックを振り返るまとめ

  • コロナショックは1カ月で約40%暴落した
  • ダウはコロナショックの底から2倍に上昇した
  • コロナショックからの戻しをほとんどの人が予測していなかった
  • 暴落時に買うのが正解だが、精神的に容易ではない

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