前回のデイトレのやり方「基本編」では日足チャート分析を中心に、事前の準備がデイトレには必要であることを説明しました。
今回の記事では、私がここ最近に実際にデイトレをした記録を基に実践的な部分について説明をしてみたいと思います。
IPOの銘柄選びと、板読みについても併せて触れていきますので、まだ記事を読んでいない方はぜひ読んでみてください。
私がどのような戦略を持ってデイトレを実際に行っているのか、参考になればと思います。
強いローソク足を根拠に空売り
こちらはRVHという銘柄の日足チャートです。
2022年8月31日に寄らずのストップ高を付け、その次の日9月1日に寄ってから大きく上げましたが、引けにかけて下がっていき上ヒゲの長い陰線となりました。
出来高もかなり多くなっており、翌日9月2日もそれなりに動くことが想像できます。
私は9月2日たまたま休みだったので、こちらの銘柄の空売りを狙いました。
材料がどうとかは一切調べていません。
デイトレにおいてはそういった情報は必要なく、動いてくれればそれでいいのです。
正直日足チャートでは特に狙えるだけの根拠はありませんでした。
本当は日足レベルでレジスタンスラインなんかが見えている方が望ましいです。
ですが他に目ぼしい銘柄もなかったので、前日の分足チャートを分析して空売りを狙うことにしました。
こちらは9月1日の15時までの15分足チャートです。
多くの出来高はほとんどが寄り付き付近の時間帯でできています。
その始値を明確に割ってきた「こいつが強い」と書いた陰線に注目しました。
この陰線に価格が近づいたら、この陰線を背に空売りを仕掛ける。
とてもシンプルな戦略ですが、これぐらいしか考えようがないチャートだと思います。
こういったよくわからない低位株は材料が出ても単発で終わることが多く、それも一応は空売りを狙った根拠でもあります。
とはいえ、強いと思われる陰線を超えてきた場合はまだまだ上げてくる可能性もあるので、すぐに損切りを行う必要があります。
では9月2日はどのような動きになったのか、続きを表示させていきます。
ほとんど自分がイメージした通りの展開となってくれて助かりました。
寄り付きから強く上げていくものの、強いと思われる陰線の手前113円で再び跳ね返され、92円までの下落がありました。
チャートではいまいち値幅がわかりにくいかもしれませんが、約20%の下落ですからデイトレとしては10%以上取れれば御の字と言っていいでしょう。
ここからは板読みのお話になります。
この時は非常に特徴的な板が出ていたので、リアルタイムでスクショを取りました。上のは10時01分のものですね。
この時の板は買い板が圧倒的に厚く、かつ99円に異様な買い板が並んでいますね。
100円ならまだしも、なぜ99円なのか?
特に思い当たる理由は見つかりませんでした。
こういう板を見つけたら「99円まで売り方は狙っているかも」と考える、という話を前回したかと思います。

そしてそこから30分ほどで99円まで落ちていきます。
そこからは横這いの動きが続きましたが、11時の時点でも買い板はご覧の通りまだ買い板が厚いです。
「91円はさっきの99円の買い指値?92円はそんな並んでないから、93円ぐらいかな?」
という風に考えていましたが、それもその通りに動いてくれる結果となりました。
どうやら先ほどの99円、そして今回の91円の厚い買い板は現在値によってスライドしていくタイプの板のようです。
ということはこれが約定される可能性は低く、板的には93円ぐらいまでしか狙えないと思うのが妥当です。
後場になり、91円にいた26万株の買い板は85円にやはりスライドしていました。
しかし86円までしっかり買い板は厚く、さらに下がる可能性も考えられます。
結果的にはこの日の安値は92円となりましたが、これ以上は狙うべきではないでしょう。
理由としてはこの日の始値は94円でそこそこ強く始まっていますし、そうなると94円に近づけば反発する可能性が高くなるのがセオリーだからです。
もしこの日80円台までさらに下がったとしても、私は94円までに利確をしておくのが正解かなと考えます。
デイトレでは利益はそこそこの値幅が取れればよしと考えた方がいいです。
ちなみに、さらに次の日は少し上昇を見せてきました。
強いと思われる陰線が倒され、118円より上の値段をつけてきました。
こうなると狂ったように暴騰する可能性も否定できないので空売りはできません。
結局は128円を天井にズルズル下がっていってしまいましたが、ここはもう狙うべきポイントではありません。
あえて空売りを狙うなら113円が明らかなレジサポラインとしてロールリバーサルしてそうなので、113円を割ってきたら売り、という戦略が考えられます。
しかし、値幅が段々となくなってくる銘柄をあえて触る必要はないでしょう。
IPOセカンダリーの狙い方
IPO銘柄を上場後に売買することをセカンダリーと言いますが、IPO銘柄は上場後とてつもなく派手に動くことがあり、大きなチャンスとリスクをはらんでいます。
値動きは非常に荒く、慣れないうちはとてもお勧めできません。
もし参加してみようと思ったなら、最初はロットを最小に抑えて狙っていきましょう。
毎年12月は多くの新規上場銘柄があるのですが、今回2022年12月に上場してきた銘柄達は、なかなかいい値動きをしてくれています。
私も年末年始の休みを利用し、いくつかのIPO銘柄のデイトレを行ってきました。
IPO銘柄のデイトレを行う際で重要な事は、グングンと高値を更新し、ストップ高を織り交ぜながらどこまでも上がっていくような銘柄を触ることです。

まあそんな銘柄がわかってれば苦労はしないわけだが、1つヒントがある。
それは初値を注目して見る事だ。
初値を上回っている銘柄だけ狙う
IPO銘柄は過去のチャートが存在しないため、他の銘柄と比べて分析できる情報がとても少ないと言えます。
だからこそ、与えられている情報は逆に特に注目されるものになります。
IPOでもっとも重要な価格は初値です。
初値では通常もっとも出来高を多く伴い初値より上がっていくのか下がっていくのか、という推移がIPOでは非常に重要になってきます。
初値でポジションを持ったトレーダーは多いため、初値を超え、売り圧力をこなしながら上がっていく銘柄はとても強い動きを見せてくれます。
上がる時はストップ高、ギャップアップをはさみながら上がりますし、下がる時はストップ安をはさみながら調整するのも特徴的です。
動く値幅がとても大きいので慣れていないとメンタルが揺さぶられる動きとなります。
このチャートのように初値が天井で、いつまでも初値の下で推移している銘柄は触るべきではありません。
もちろんU字を描いて上がっていく可能性もあるのでしょうが、初値で捕まっている買い方が多数控えていますので、いつ叩き売られてもおかしくないでしょう。
初値にはとりあえず水平線を引いちゃえばいいかと思います。
初値がレジサポラインとして機能する例は多く、デイトレであっても初値に近づいた時は意識するべきであり、忘れないように一応ラインを引いておきましょう。
価格と出来高に注目して狙うデイトレ
2023年1月6日monoAIというIPO銘柄をデイトレしました。
500株だけ寄り付きから買い、途中で追加するトレードプランでしたが、朝の1時間でストップ高近辺まで上がり、ほぼ天井圏で売ることができました。
この銘柄はこのあと2000円以上値をつけるので、ここで売るのはもったいないという見方もあるかと思います。
しかし、あくまでもここでのエントリーはデイトレでエントリーをしているし、トレードプランとしてもすんなりストップ高を付ければ持ち越し、高値圏で揉むなら利確、と決めていました。
トレードプランにしっかり従ったという点では自分の中では成功トレードであったと思っています。
こういう大きい値幅を取りこぼすと悔しい気持ちが湧き上がるかと思いますが、ミスをしたわけではないのなら気にするべきではありません。
トレードにたらればは付きものですが、ほとんどが意味のない振り返りだと思います。
さて、monoAIの1月5日時点での日足チャートはこのような形でした。
注目すべきは1月4日の大陽線です。
この日ようやく初値の上に顔を出してきて、かつ初日の3倍ほどの出来高をつけてきました。
この出来高は非常にポジティブな印象で、ほとんどの売り圧力を吸収した可能性が高いと判断しました。
しかし、1月5日ではまあまあ大きい陰線を付け下がってしまいました。
本当はこの日に一気に上がってしまうかなと思いましたが、陰線をつけたことで6日こそチャンスかなと考えていました。
5日の陰線の意味するところは、初値で捕まっている買い方のやれやれ売りを誘っていたのかなと考えました。
となれば、いよいよ売り圧力が無くなり、大きく上へ飛ばす準備が整ったのではないかと思いました。
また、この銘柄はVCの売り圧力も少なく、かなり上値が狙える銘柄だろうとも思っていました。

前回のIPOの記事で紹介はしたが、VCの売り圧力やロックアップ条項などは必ず事前に確認しておくように。

こちらは5分足チャートです。
安く寄ってくれたので寄り付きから狙って買うことができました。
ストップ高までいくだろうと思ってはいましたが、ストップ高を手前に価格が揉みだしたので利確をしました。
IPOは上がる時も押す時も値幅が大きいので、ここで大きく押すことになった場合はとてももったいないです。
その後の日足チャートです。
後から見れば簡単そうに見えるチャートですが、実際にはIPO銘柄というのは1日で相当派手な動きになっているものです。
しかし本当にいいところで買うことができれば、短期間で2倍3倍と上がっていくのがIPOですから、スイングトレードでしっかり保有していくというスタイルの方がいいかもしれませんね。
ただし、調整幅も大きいのでそこをどうトレードプランに組み込むかが大事になってきます。
デイトレに固執して失敗するケース
せっかくなので私の失敗した例も紹介していきたいと思います。
こちらはELEMENTSというIPO銘柄ですが、今のところ初値から普通に4倍まで上がるという凄まじい値動きを見せています。
この銘柄も初値を底に初値の上で推移していたので注目をしていました。
1月5日から調整モードに入り、調整が終わったら700円以上まではいくだろうと考えていました。
画像にあるように、1月17日のストップ安で買いを入れたのですが、なんと次の日の引けで損切りをするという恥ずかしい結果になってしまいました。
これ以上ないほどベストな位置でエントリーをしたのに負けてしまったのです。
こんな恥ずかしいトレードをしたトレーダーが一体日本にどれだけいるのだろう、とか考えてしまいました…w
どうしてこのような結果になったのか、エントリーから振り返りたいと思います。
こちらは1時間足チャートになります。
まず、1月5日の天井から調整が始まり、17日のストップ安で調整が完了したものと仮定していました。
上のような波形を見ていて、フラットの修正波がこれで完成したということで買いエントリーを行いました。

ストップ安になったのは決算が絡んでいたと思うのですが、はっきり言ってIPOで決算など意味のないものであり、またただの調整でストップ安になることも多々あります。
ストップ安に持っていかれると「どこまで下がるんだろう」といった心理になりやすく、基本的には買いにくいかと思います。
だからこそIPOではストップ安が絶好の買い場になることが過去を見ても多いです。
そこも根拠としてあった上でのチャレンジだったのですが、「次の日に上がらなければ利確、損切りを行う」というルールを決めていました。
私の中ではストップ安にて調整が終了し、18日は大きく上がるものとイメージをしていました。
もちろん、デイトレとして18日を勝負の日として設定をしていたので損切りは間違いではないでしょう。
しかし、18日に動きが無かったからと言って19日に目を離してしまったのは失敗でした。
結局19日以降はまったく手を出すことができず、あっという間に1200円以上まで上がってしまいました。
おそらく最初からスイングトレードの頭でエントリーをしていれば、そこそこの利益を取れたかと思います。
しかしこの時はなぜかピンポイントでのデイトレ思考にこだわってしまいました。
たらればを言うのは意味がありませんが、これはミスだと思っています。
「この日上がるはずだ」
「この日に上がらなければもう上がらないだろう」
といった決めつけが強く働いた結果だったと思います。
デイトレのやり方「実践編」まとめ
- 強いローソク足を背に空売りを狙う
- その時に買い板が厚ければ後押しになる
- IPOセカンダリーでは初値を注目し、初値の上で推移しているものを狙う
- IPOは初日の出来高を超えてきたら要注目
- IPOではただの調整でストップ安になることもある
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