いよいよ、ここからテクニカル分析の話に入っていきます。
チャートを分析する上でもっとも大事な事はなにか?
それはトレンドを知ることです。
ダウ理論は今現在の相場の方向性を知ることができる非常に優れたテクニカル分析です。
私はダウ理論こそがもっとも大事なテクニカル分析の基本であると考えています。
トレンドの継続とはどういう状態か?
トレードの基本戦略としてトレンドに逆らわず流れに乗っていく、というものがあります。
順張りと言われていますが、トレンドに沿ったエントリーを意識して行うことで、勝率は大きく高めることができます。
では今現在トレンドはどちらに向いているのか、そのトレンド方向を判定するのに使うのがダウ理論です。

トレンドイズフレンド、というジョージソロスの言葉は相場の格言として有名だよね。
チャートというのは上げ下げを繰り返すものですが、基本的にはトレンド方向への流れが一定期間しばらく続くことが多いという特性があります。
月足、週足、日足、分足など様々な時間軸が存在しますが、それぞれすべてにトレンドは発生します。
それでは、上昇トレンドとは一体どういう状態のことを言うのでしょうか?
はい、上の絵のように高値を更新し続け、安値を切り上げるのが上昇トレンドになります。
これは明確にダウ理論では定義されていることなので、よく覚えておきましょう。
下降トレンドはもちろんこの逆になります。
ですから、我々は上昇トレンドにあるチャートでトレードをする場合、青丸の安値あたりでの買いを常に狙っていくのが順張りトレードのセオリーです。

これが押し目買いね。
ダウントレンドで売りを狙う場合は戻り売りを狙おう。
トレンドの終了とはどういう状態か?
上昇トレンドが終了する時は、何をもって終了したと言えるでしょうか?
ダウ理論はこの答えについても明確に定義されています。
さっきの上昇トレンドからチャートは下落をしていきます。
青丸の安値を下に割った瞬間、ダウ理論では上昇トレンドが終了したことになります。
そして、この上昇トレンドの天井部分の手前、最後の安値のことを押し安値と呼びます。
この押し安値が割れない限りは、ダウ理論的には上昇トレンドは継続している、と判断することができます。
ですから上のような場合は、高値は更新できていないけど、押し安値は割っていないから上昇トレンド中ということになります。

これは結構誤解をしている人も多いので、よく覚えておこう。
上昇トレンドが終了するポイントだから、押し安値は多くの相場参加者が注目しているポイントだということになるね。
ダウントレンドの場合もさらっとやっておきましょう。
安値を更新し続け、高値を切り下げるのが下降トレンドになります。
青丸の位置を戻り高値と言い、ここを上に抜いてきたところで下降トレンドは終了します。
大底からの大陽線、といった相場では割とよく見られる光景ですね。
私ならばこのトレンドを変える大陽線の後の押し目は、積極的に買いを狙っていきたい場面だと思います。
上昇トレンド終了=すぐ売りではない
押し安値を割って上昇トレンドが終了する、この時点で買いの選択肢は一旦考え直すのがセオリーです。
ただし、押し安値を割った瞬間に空売りやショート、といった選択を取るのは賢くありません。
ダウ理論では、上昇トレンドが終了したからといって下降トレンドに移行したわけではありません。
下降トレンドはあくまで安値を更新していくという動きが出てきてから判定されます。
押し安値を割って上昇トレンドが終了したにもかかわらず、また高値を更新する上昇が起こる、なんて事もあります。(どれぐらい起こるかは要検証です)
と言ってもそれを待ってからでは全然エントリーとしては遅い、と個人的には考えています。
先ほどの押し安値を割った絵を例にすると、売りのエントリーを考えるポイントは私は2か所です。
1つ目は天井を狙った売りエントリーです。
ただしこれは非常に難しく、負ける確率も高いのであまりおすすめできるものでもありません。
2つ目の売りエントリーは押し安値を割ったことを確認した後、戻りを狙ったポイントです。
多くの人が注目する押し安値を割った時、買い方の損切りがかなり入ってくるので押し安値よりも下に一瞬下がってくることがよくあります。
しかし売りがまとまって入る分、需給の偏りでそこそこ戻ってくることが多いです。
その戻りを狙うというのがこのエントリーになります。

勝ち組トレーダーになるための考え方で話したばかりの事だね。
さあ、さっそく押し安値を割った時に相場がどう反応しているか。
実際のチャートをよくよく検証してみてほしいと思う。
下の記事をまだ読んでない方は、ぜひ読んでおいていただきたいと思います。

押し安値を割ったところからの一瞬のリバウンドを狙い、買いエントリーを行うやり方もありますが、心理的にも怖いところですしなかなか難しいかもしれません。
そういうところで怖さを感じずエントリーをするには、期待値が高いトレードであるという確信が必要になります。
ですから押し安値割りのリバウンド狙いをしたいのであれば、どの程度の期待値があるトレードなのかは必ず検証をしてください。
なかなか期待値が高いという結果になったならば、それのみを狙うというやり方も全然アリだと思います。
一瞬のリバウンドであろうがなんだろうが、狙って取れるならなんでもいいのです。
ダウ理論まとめ
今回はダウ理論について説明をしてきました。
チャートを見る際にもっとも重要となるのがダウ理論ですので、今回学んだ内容はよくよく復習するようにしましょう。
そして、実際のチャートをダウ理論を意識してたくさん分析してみてくださいね。
特に押し安値、戻り高値に関する部分は説明されていないようなサイトも多いので、ここをしっかり注目して分析していただきたいと思います。
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