チャートに波を引いてみよう

テクニカル分析
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重要度 ★★★★

チャートは一見するとぐちゃぐちゃに見えたりランダムに動いているように見えるものです。

テクニカル分析というのは、そういった複雑に見えるチャートの動きをパターン化して見るために行います。

「こういう形になったらこうなる事が多い」といった確率を検証し、そこに期待値を見出すことがテクニカル分析の目的です。

そのためにダウ理論水平線エリオット波動移動平均線などといったテクニカル分析を使うわけですが、私がまずチャートを開いて行う作業はチャートに波を引くことです。

今回はチャートに波を引くことでどういうメリットがあるのか、解説を行っていきたいと思います。

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チャートに波を引いて簡素化する

なぜチャートに波を引くのかと言うと、複雑に見えるチャートを簡素化してシンプルに見るためです。

ではどんな風に波を引くのか、見てみましょう。

日経平均先物日足チャート2021-2023

ここ2年の日経平均のチャートです。

2022年にかけて大きな下落があり、2023年はどうなるかといった形ですが、このチャートに波を引くならこのような形で私は引きます。

日経平均先物日足チャート2021-2023

青→紫→黄色と3つの色で分けて引いてみました。

これは、それぞれ3つのフェーズに分けて私が考えているということです。

私は常々「チャートはN字に動き、N字が完成されると次のN字を形成していく」という考え方をします。

ですから青のフェーズあくまでも青の中だけで完結し、紫のフェーズに入ったらそこから新たにチャートを見ていくようなイメージです。

ではさらに1つ1つのフェーズについてもう少し細かく分析をしてみたいと思います。

メインの波を引いて副次波に注目する

今回の記事の波引きですが、これはエリオット波動の波引きと同じではありません。

あくまでもチャートを見やすくするために引いた波である、というものですので、エリオット波動のようにきっちりとやり方が決まっているものではないです。

しっかりと定められたルールやガイドラインに沿って波を引くのがエリオット波動です。

テクニカル分析の基本③ エリオット波動
エリオット波動を使う最大の意味は、無機質なチャートを波動として認識することにある。チャートは複雑に、細かく上下を繰り返し動くものであるが、その動きを1つの波動の動きとして認識することでチャートの動きをパターン化することができる。

 

さて、改めて青い波を引いた部分を拡大してみるとこのような感じになっています。

私がこのように波を引いただけであって、別にこれが正解というわけではないでしょう。

ただし、ある程度同じような規模で波を引くのがポイントです。

大きな波と小さな波を同じようにごちゃ混ぜにして波を引くのでは意味がないでしょう。

もう1つのポイントは、ダウ理論の考え方に沿って高値安値を更新した波をしっかり引いていくということです。

上の青い波はまさにダウ理論の解説で出てくるような、トレンドの定義に従った波ですね。

つまり「下降トレンドとは、高値を切り下げ安値を更新していく動きである」というやつです。

 

もっと何本も波が引けるのでは?という疑問があるかもしれませんが、それはエリオット波動における副次波という波になります。

今度は紫の波を新たに引いています。

エリオット波動の基本ですが、波はフラクタル構造になっていて青の波の中に紫の波が3波や5波で出てきたりします。(見ての通り必ず出るわけでもありません)

紫の波は副次波と呼ばれていて、青の波の1周り小さい規模の波ということになります。

 

KATORI
ルル

こういう波引きを頭に描いておけば、それなりにすっきりとチャートを見ることができるね。

紫の波の戻りでショートを狙う、といった戦略もこういう見方をしていればやりやすいだろう。

あくまでもメインは青の波動で動いているのですが、このように副次波が大きく動くとけっこう現場では混乱するでしょう。

なにしろ副次波の戻りで日経平均が2000円上がったりしているわけですから。

ですから「これは副次波かも?」というイメージをもっておかなければこういう場面で目線がぶれやすくなってしまいます。

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波を引いてチャートパターンを発見していく

続いて2つ目のフェーズ、紫の波の解説を行っていきます。

紫の波ではきれいにトライアングルのチャートパターンが出来上がりました。

チャートに波を引く大きなメリットとして、波引きはこのようにチャートパターンの形をはっきりと視覚化することができるのです。

テクニカル分析の基本④ チャートパターン
チャートパターンにはトレンドの反転のサインとなるものと、トレンドの継続を示すものが存在する。反転のサインとなるものにはダブルトップやヘッドアンドショルダーなどがあげられ、トレンドの継続を示すものはトライアングルやフラッグがあげられる。

 

日足チャートでこれだけきれいにトライアングルが形成されるのも珍しいとは思いますが、こういう大チャンスはぜひ狙えるようになってほしいと思います。

というか、こういったチャンス1つだけで資産を大きく増やすことができます。

なにしろこの下落は上から下まで約5000円も日経平均は下落したのですから。

 

KATORI
ルル

5000円というと、たった先物のミニ1枚でも50万円の利益。

はっきり言って一気に資産を何倍にもできるチャンスだったわけだ。

上から下まで全て取るのは当然かなり難しいですが、途中の下落を狙うことは十分できたでしょう。

これだけ日足ベースでじっくり形成されたトライアングルですから、それなりに大きく動く予測はテクニカル分析を行っているトレーダーならばできるはずです。

このようなビッグチャンスはそうそう訪れるものでもありませんが、だからこそ訪れた時には確実に狙わなければいけません。

確実に狙うためには日頃から、しっかりと波を引いてチャート分析を行い準備をしておくことが大事です。

波を引いて今後の動きを予測する

最後に3つ目のフェーズ、黄色の波について解説を行います。

波を引くということを繰り返すと、今後のチャートの動きを予測できるようになってきます。

これはある程度の練習が必要になってくることではあるのですが、しかしトレーダーにとって大きな武器の1つになり得ます。

なぜチャートの動きを予測できるのかと言うと、波を引くことでチャートの動きをパターン化して見ているからです。

「この形になったから次はこの形になる確率が高い」といったようにチャートの動きをパターン化し、確率論で考える事ができるようになります。

もちろん何百とチャート分析を同じように繰り返さないと、この確率は正しく導き出せないとは思いますが。

 

さて2023年3月現在のチャートですが、この波が今後どう動くは明確にわかりません。

まあ明確にわかったら苦労はないのですが、それでも波引きによって2パターンに絞ることができるかと思います。

 

パターン1 2022年の高値を超えて5波動を形成する

だいぶ上げ下げが大きくレンジのような動きになっている相場ですが、黄色の波の規模ではなんとか上昇トレンドを保っている状態です。

ですからまだ高値を目指すシナリオは残っていると考えるべきでしょう。

しかしその場合は、天井をつけた後の下落はかなり強いものであると考えるべきです。

2022年の高値を超えたあとは、いつ強烈な下げが来るかびくびくしながら相場を見ていく必要がありそうです。

実践的なエリオット波動の使い方のダイアゴナルの形といってもいいでしょう。

 

パターン2 ヘッドアンドショルダー形成で下落する

今現在のチャートの形は非常に警戒感を強めなければならない形と言えます。

ヘッドアンドショルダーのような形になっており、その場合は右肩で思われる場所が形成され、その直後にやや大きい下落起きています。

仮にヘッドアンドショルダーの形が完成されているのなら、この後の下落はかなり強いものであることが想像できます。

ただしまた下限で反発してレンジが長く続くというシナリオももちろんあるでしょう。(そうなってほしいですが)

チャートに波を引いてみようまとめ

  • 複雑なチャートをシンプルに見るために波を引く
  • 波を引いてN字に注目する
  • 副次波を見極め、エントリーチャンスをうかがう
  • 波を引くことでチャートパターンがはっきりと見えてくる
  • 波を引きパターン化してチャートを分析する
  • 何百回と練習を繰り返すことでチャートの予測を立てることができるようになる

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