今回はエリオット波動の基本的な考え方について説明したいと思います。
エリオット波動は難しいイメージがあると思う方も多いとは思いますが、私個人の考えとしてはなんとなくの理解でOKだと思います。
なので、今回はざっくりいきます。
ただし基本的な部分、エリオット波動のほんのさわりの部分を知っておくだけでもトレードに有効活用できるものだと思います。
私はエリオット波動の研究には過去にめちゃくちゃ時間を費やした事があるのですが、結果的にはトレードの成績を大きく改善させることはできませんでした。
エリオット波動自体はとても有効的なテクニカル分析なのですが、やはりそれ1本に頼るのはリスクが高いという結論に至りました。
今ではメイン手法でありながらも、あくまでも1つの分析法として使っているといった感じです。
皆さんもあまりエリオット波動の深みにはまらず、うまく使っていただきたいなと思っております。
エリオット波動の基本の形
それでは、エリオット波動とは何なのか?

ありきたりな説明画像ですが、さらっと解説しておきましょう。
- 上昇5波(推進波)と下降3波(修正波)というサイクルで相場は動く
- それぞれの波の中にも小さな波が存在し、大きな波を構成している
- それぞれの波や形には明確な名称などの定義が存在する
といった感じでここまでは一般的な説明となります。
それではここからは、1つ1つ私自身の考え方を混ぜながら説明をしていきたいと思います。
相場は波で動くという考え方をする
エリオット波動ではメイントレンド方向に進む波を推進波、その逆を修正波と言います。
上昇トレンドであれば、上方向への波が推進波、下方向への波が修正波です。
まあ実はこれも正しい説明ではないのですが、そういう理解で問題ありません。
重要なのは、相場は波を打って上下に動くというサイクルを繰り返しているということです。

エリオット波動そのものを理解することより、この考え方がまず重要だ。
無機質に見えるチャートの動きを波ととらえるという考え方がね。
推進波が5波だとか、修正波が3波だというのは実はあまり使えません。(私見です)
というのも5波や3波が出ない時、あるいは出てるけどそうは見えない時、などとにかく判別が難しい場合がよくあるからです。
まずは相場のリズムというものを知りましょう。
相場は上げ下げを繰り返すものですが、これらを波ととらえましょう。
とりわけN字に動く波を注目します。
N字に動く波をN波動と言いますが、相場はN波動で動くと言っても過言ではありません。
例えば上のようなチャートを見る時はまず波を引いて、ぐちゃぐちゃに見えるようなチャートを波として見ます。
このような感じですね。
ポイントとしては、細かすぎずおおざっぱすぎず、同じような規模の波で引いていくこと。
そうすると、相場がこの規模で上下を繰り返しているんだなとわかります。
そしてそれは、今後もこのぐらいの規模で動いていくんだろうなとイメージも湧いてくるでしょう。

相場はN字に動くって言った意味がわかってもらえただろうか?
まあNに動かない時もあるんだけどねー
N波動以外にもいくつか波動の種類があるから、ちょっと紹介しておこうか。
波動の種類(N波動、E波動、I波動、V波動、P波動、Y波動)
見出しの通り、波動は実はけっこう種類があります。
しかし、N波動でチャートを見ていくという事に変わりはありません。
ここではあくまでも知識として、なんとなく覚えておけばいいかと思います。
まず、E波動はほとんどN波動みたいなものです。
N波動は1波目と3波目が同じような長さになるとされています。
E波動というのは1波目の高値を超えてから、1波目と同じ長さ分上昇する形になります。
つまり、E波動はN波動より3波目が伸びた形といった感じです。
ここで重要なのが、果たしてN波動やE波動のように、現実のチャートは本当に上のような形の長さになるのかどうか、という疑問を持つことです。

さあ検証の時間だぜ。
やっぱり自分でひたすら検証しないと実戦では使い物にならないからな。
でも、けっこう上の図の通りになることあるから、びっくりするもんだよ。
続いていきましょう。
これがI波動です。
は?って感じですが、押しや戻りがなく一直線に大きく動く時などを説明したものだと思われます。
これは私としてはI波動の後の押しを見て、その押し目も含めて結局はN字で見ていきます。

一直線に動いたって言っても、いつかは押しや戻りをつくるわけだからね。
それも含めてN波動として見ていこうってことだ。
V波動は名前の通り、V字にチャートが急に大きく切り返すような形です。
これもI波動と同じく、V字の後の押しや戻りを見て結局はN字に考えていきましょう。
P波動は押し目の修正波の部分が段々値幅が縮小していき、上へブレイクする形です。
値幅が縮小している部分を、三角持ち合いとかトライアングルとかペナントとか、色々呼び名はありますが何でもいいでしょう。
ちなみにP波動のPはペナントですね。
ペナントについてはチャートパターンの記事の方でも紹介していますので、そちらをご覧ください。

P波動ももちろんそのままN字に見ていくことができる形です。

このP波動はめちゃくちゃよくある動きだからね、よく覚えておいてほしいと思う。
Y波動はP波動とは逆に、修正波の部分が上下に広がっていく形です。
こちらは出現率はだいぶ下がってくるかと思いますが、実際に発生されると理解に苦しむ形です。
個人的にはかなり嫌いですねw

上にブレイクかと思って買えば下がるし、かと思えばまた上にいくし…
いわゆる往復ビンタをくらいやすい形なんだよな。
Y波動は少し波としてとらえにくい形ですが、これもN字で見ていけばいいかと思います。
赤線の感じで、大きい規模ではN字の動きとして認識していきましょう。
エリオット波動はフラクタル構造である
さてエリオット波動の話に戻りましょう。
1番上の画像にあったように、それぞれの波にはさらに細かい波が存在し、その細かい波の中にもさらに波が…(延々と続く)
というのがエリオット波動の考え方です。
つまり、実際にエントリーを行う時は細かい波も見たうえで判断するということになります。

例えば日足のローソク足は1本で表されるが、当然その日1日いろいろ動いた動きが集約されて1本になっている。
それを1時間足や分足で見ていく作業が大事になる、ということだ。
このような構造をフラクタル構造といい、このあたりがエリオット波動のややこしいところになってきます。
ちなみにこのフラクタル構造はマトリョーシカによく例えられていますね。
人形の中に人形がってやつです。
エリオット波動のフラクタル構造はあまり難しく考える必要はありません。
ただ、色々な時間軸のチャートを見るくせは必ずつけましょう。
例えば日足がダウントレンド真っ最中なのに、分足だけを一生懸命見て買いで頑張っていてもやはりなかなか勝てません。
月足→週足→日足→時間足→分足
といった順でチャートを分析していくようにしましょう。
毎回大変だろうと思われるかもしれませんが、月足や週足はたまにで済みますし、日足も毎日のように見ているならそれほど時間のかかる工程でもありません。
様々な時間軸を分析することをマルチタイムフレーム分析と言いますが、また改めてマルチタイムフレーム分析の記事を作りますので、その時に詳しくお話したいと思います。
エリオット波動のルールや定義について
エリオット波動には実に様々なルールや定義が存在します。
そのあたりが小難しい話としてイメージを持たれているのかなと思います。
エリオット波動を使ってチャートを分析する際には、ルールに基づいて行わなければならない、とされています。
しかし、私はそんなことよりエリオット波動を使ってどう勝つかということにフォーカスしてほしいと思います。

要は勝てるかどうかが全て。
そのためにエリオット波動を研究するのはいいけど、深入りするメリットがあるかどうかはよく考えるべきだろうな。
エリオット波動というのは信者と呼ばれるほどエリオット波動が全てだ、と熱心に勉強している人が多いように思えます。
私自身そういう期間があったのですが、今思えばそれは聖杯探しに近い行為だったのではないかと思います。

聖杯探しはダメという話は勝ち組トレーダーになるための考え方で話したな。
100%勝てるやり方など存在しないが、エリオット波動は未来がはっきりと見えるという錯覚に陥りやすいので注意が必要だ。

なんというか、エリオット波動は少しアカデミックな領域なんですよね。
稼ぐためにやるというよりかは、大学で研究をしているようなイメージが強い。
まあそれが勝ちにつながればいくらでも研究しがいがあるとは思います。
エリオット波動の参考書籍
エリオット波動のより詳しい中身については、実践的なエリオット波動の使い方の記事で改めて紹介をしております。

もしより深く学びたい場合は、まずこちらのエリオット波動研究所の本を絶対に読んでおいてほしいと思います。
エリオット波動というのは、エリオットというアメリカの会計士の方が1930年頃に提唱したテクニカル分析だということなのですが、これを研究して書籍に残した第一人者がロバートプレクターです。
ロバートプレクターの本がこちらです。
こちらがエリオット波動の源流とも言える教科書として有名なのですが、やはりトレーダーが翻訳したものではないのか大変読みづらく誤解して理解してしまうような書き方もあります。
もちろん、エリオット波動を深く学びたい人には絶対読むべき本であることは間違いありません。
しかし、エリオット波動をトレードに活かしたいだけの人には上の方のエリオット波動研究所の本がおすすめです。
エリオット波動研究所は日本でもっともエリオット波動を研究されてる機関だと思います。
そのためプレクターの本を非常にわかりやすく、かつ相場に活かせるように加筆修正をしたのがエリオット波動研究所の本になっているかと思います。
正直、上の本1冊でエリオット波動のほとんどが理解できるのではないかと思います。
私自身も、もう何回読んだかわからないぐらい読みつぶした本でもあります。
値段もお手頃ですし、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?
プレクターの本は6000円ぐらいするので、けっこう高いですねw
エリオット波動の基本まとめ
今回はエリオット波動の基本的な部分について説明をしていきました。
今回の話だけではエリオット波動を具体的にどうエントリーに活かしていくか、まで説明できていないので、他の記事も併せて読んでいただければと思います。
エリオット波動はダウ理論、水平線と一緒に併用していくものですので、それぞれの理解をしっかりと深めた上で使っていくようにしましょう。
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