勝ち組トレーダーの中でも利確は難しいと言う人はけっこういます。
というのも損切りは機械的に決められた場所で行うのに対し、利確はいくつもの選択肢が存在するからです。
最初から利確ポイントをある程度は決めるものの、実際のところは相場の動きを見ながら変えていく必要も出てくるでしょう。
つまり利確に正解は無いのです。
私自身も大きな利益を狙ってポジションを握り続け、結果的に建て値決済になるという経験を何度もしています。
ベストな利確方法は存在しませんが、今回はベターな利確方法について解説を行いますので、参考にしていただければと思います。
利益は引っ張り損失は最小に
損切りの記事でも紹介をしましたが、利確と損切りはエントリー前にセットとして考えておく必要があります。

その上で、利益はできるだけポジションを長く持ち引っ張る必要があります。
逆に損失は限定的に抑え、リスクリワードの良いトレードを目指すべきです。

こういうのを損小利大の考え方と言う。
トレードで勝つには常にこの考え方は持っておくべきだろう。
初心者のうちは損小利大と真逆の事をやりがちです。
つまり損切りは機械的にできず損失を膨らませ、利確はちょっとした上げ下げに耐えられず小さい利益で確定させてしまう。
すぐに利確をしてしまう行為をチキン利食いなどと言ったりしますが、たしかにポジションを持ち続けるというのは精神的に辛い行為ではあります。
相場というのは最終的には大きく上がるとしても、途中でこれでもかという嫌な動きをしてくるものです。
そういった嫌らしい動きに一喜一憂されれば、利確したくなるのは当然の事でしょう。

当たり前だが、大きく上がるものこそ調整も大きくなりやすい。
いわゆるふるい落としみたいなわざと売らせるような値動きもあるし、ポジションを持ち続けるというのは本当に難しいもんだ。
毎回ほどほどの所で利確するのももちろん正解でしょう。
しかし大相場においてはそのやり方では大きな利益を取ることは難しいでしょう。
大相場においては、自分の建て値に返ってくるまでひたすら放置する、というやり方が必要になってきます。
とはいえ、最初のうちはほどほどの所での利確を狙っていただきたいと思います。
ほどほどの所とはどういう場所なのか?
いくつか紹介をしていきたいと思います。
直近の高値や節目
これはあえて説明することもないかもしれませんが、直近の高値やレジスタンスラインが引けるような節目の位置は価格が止まりやすく、一発では抜けない事が多いです。

上のチャートでは、過去に何回も機能してきたレジスタンスライン(紫)と直近高値が重なっています。
チャート右側でエントリーと利確の位置を描きましたが、このような明らかに上値が重そうなところで利確するのは賢いやり方でしょう。
このチャートではそのまま利確せずホールドした方が利益が取れますが、それは結果論でそう簡単にホールドできるものではありません。
実際に紫のレジスタンスラインに差し掛かってから、ローソク足5~6本どっちつかずの値動きになっています。
それだけ価格が揉んでいれば不安な気持ちにもなりますよね。
でもここまで利益を引っ張ることができたのならばこのトレードは成功と言えるでしょう。
利確した後にさらに価格が上昇してがっかりする気持ちもわかりますが、そこはあえて自分に甘くして考えてもいいかなと思います。
利確に完璧を求めるのはキリがなく、不可能だと思うのでやめた方がいいでしょう。
利確すべきポイントとして共通するのは、売り圧力が強いと思われる場所で行うことです。
売り圧力というのは
- 新規の売りエントリー
- 利確確定の売り
- 捕まっている買い方の損切り
この3点全てからイメージするようにしましょう。
レジスタンスラインについては水平線の記事を参考にしてみてください。

出来高が多くできたところと少なかったところ
株メインの話にはなってきますが、出来高が他と比べて明らかに多い場所というのは、先ほども出てきましたが捕まっている人も多いということになります。
同様にギャップを埋めにきたところも同じように考えることができます。

ギャップってのはストップ高や特買いなんかで窓を空けた部分の事だね。
窓埋めなんて言われるけど、窓埋め後は反転する動きがよく見られるから利確目標として考えておくとよいだろう

上のチャートでは、真ん中あたりで大きな出来高を伴うギャップダウンの大陰線が出ています。
その後チャートは大陰線の起点付近まで切り返しを見せますが、窓を埋めるまでには至らずさらに下落をしてしまいました。
やはり大陰線の中での売り圧力がかなり強かったということになるでしょう。
このように売り圧力が強いと窓埋めに向かうが失敗する、というケースもあります。
窓は必ず埋めるものと考えず、出来高がもっともできた所では利確を考えるようにあらかじめ準備をしておきましょう。
高値を超えたが出来高が少なかった、というケースも利確を検討してもいいかもしれません。
理由は出来高の記事で紹介した通りですね。

ただし、これだけで判断をするのは個人的にはややもったいない気はしますね。
押し安値・移動平均線・トレンドラインなどで判断する
ダウ理論における押し安値を割ってきた場合、それは上昇トレンドの終了を示唆しているので、利確ポイントとしては適切でしょう。
ただし明確な押し安値ができない場合は判断に困りますし、最高値からかなり下がった位置に押し安値ができる場合もありますので、万能とはいきません。
移動平均線の記事でも紹介しましたが、移動平均線を下に割った時や、移動平均線が下向きになったら利確する方法も有効です。
移動平均線を使うデメリットとしては、その移動平均線が意識されていない場合も多々あり、結果としてダマしのシグナルになるような結果も多いということだと思います。

トレンドラインを割ったら利確する、というやり方のトレーダーも見られますね。
トレンドラインでの判断というのはこの中では最速の判断と言えるでしょう。
最速の判断ということは、早すぎる利確だったという結果にもなりやすいです。
特に上の絵のように急角度のトレンドラインが引ける時には、比較的早めに利確ラインに引っかかることになりますね。
トレンドラインについてはまた改めて記事を作りますが、トレンドラインを割ってもトレンドが継続するということはかなり多くあります。
ですので、もったいなかったという結果に終わることも多いでしょう。
ただ先ほども説明した通り、利確はある程度の利益を取れればOKと考えるべきなので、取りこぼしの少ないこの判断はけっこうおすすめだと思います。
トレーリングストップを活用する
トレーリングストップはさらに取りこぼしが少ない利確方法になります。
少ない、というか自動で機械的に設定もできるのでその場合はまず取りこぼしは無いでしょう。
「高値から〇〇円下で逆指値、高値から〇〇ティック下で逆指値」
といったように設定することが可能です。
私自身は自動のトレーリングストップはほとんど使いませんが、手動でやることはけっこうあります。
例えば上の絵の左端でエントリーが出来たしましょう。
最初は建値で逆指値を設定しておきます。
1つ目の青丸のところで逆指値を2つ目の赤丸に設定し直します。(TS①)
2つ目の青丸のところで逆指値を3つ目の赤丸に設定し直します。(TS②)
ということを逆指値に引っかかるまで繰り返します。
これが手動のトレーリングストップになります。
トレーリングストップはトレンドの最終地点近辺まで利益を引っ張れる可能性も高く、一方的に上がるような強い相場では効果を発揮してくれます。
しかし、ふるい落としなどが発生した場合は約定してしまうのがデメリットでしょう。

どの方法もメリットデメリットがあり、どういうやり方を採用するかはトレーダー次第って感じだねえ。
大相場に乗るにはやはりひたすら持ち続ける握力が試されるね。
利確のやり方まとめ
今回は利確のやり方をいくつか紹介してきました。
どの方法を採用するにしろ、目標の利確ポイントを取るということにフォーカスした方がいいでしょう。
重要なのは期待値の高いトレードを繰り返すことであり、プラン通りにトレードをすることです。
相場の底や天井でエントリーや利確をしたいと思うのはトレーダーの性ですが、時にいきすぎるのが相場というものです。
オーバーシュートといいますが、価格がどこまで伸びていくかは誰にもわかりません。
ですから、利確はある程度うまくいけばOKという考えでいきましょう。
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