窓(ギャップ)は株式相場では多く見られます。
特に決算やニュースなど、なにか材料が出た時は翌日が特買いや特売り気配となり、窓をあけることが多いです。
窓をあけた時には「窓は埋めるもの」として広く認識されていますが、果たしてそうなのでしょうか?
今回は窓ができた時の考え方について解説を行っていきます。
窓埋めはなぜ起きるのか?
窓をあけてギャップができた時、たしかに窓を埋めに行く動きが起こる確率は高いです。
そこには一体どういう心理が働いているのでしょうか?
ギャップアップを例に考えてみましょう。
窓をあけてギャップアップが起きた場合、売り方と買い方の需給バランスが崩れる事がよく起きます。
- 新規の買い方
- 新規の売り方
- 売り方の決済(利確、損切り)
- 買い方の決済(利確、損切り)
相場というのは常にこの4種類の需給バランスによって形成されるものですが、ギャップアップができ窓埋めが起こる場合は、1番の新規の買い方が減り、2番と4番の売りが増える可能性が高いです。
もちろん材料のインパクトによっては、特買いに飛びついて新規で買っていくトレーダーもいるでしょうが、窓埋めの確率が高いことを知っているトレーダーは、慎重に押し目を狙うかと思います。
窓埋めを狙う逆張りトレーダーは多いですから、2番の新規の売り方は間違いなく増えます。
3番の売り方の買戻しは、売り方の損切りが入ることが想像できます。これはもちろん相場上昇要因となりますね。ですが窓埋めを期待してすぐに損切りを行わないトレーダーも多いでしょう。
4番の買い方の利確も間違いなくかなり入るかと思います。
こういった相場心理が働くため、ギャップアップ時は 買い < 売り の需給バランスに傾きやすいのです。
またギャップができた場所は空白地帯となり、ポジションを持っている人がいないゾーンになります。
もちろんもっと過去にポジションを持っている人はいるでしょうが、空白地帯では価格はスピーディーに推移すると言われています。
ですから比較的窓埋めのゾーンまでは素早く価格が到達し、そこからもみ合うというケースも多いです。

といった感じで、窓埋めが起こる理論としてはこのような説明になる。
でも本当のところは、「窓埋めが起こることが多い」と相場参加者がみんな思っているから窓埋めが起こる、ってのが正しいのかもしれないね。
窓は埋めるとは限らない
とはいえ窓を埋めないケースも当然あり、このあたりはよく検証を行う必要があります。
再びギャップアップを例に説明しますが、窓をあけた後の動きとしては次のようなケースが起こり得ます。
- 窓を埋めて上昇していく
- 窓を埋めに向かうが埋めきれず、上昇していく
- 窓をまったく埋めに行かず、上昇していく
- 窓を埋めるが下落していく
また窓をその日1日で埋めるケースや、何日もかけて埋めるケースもあります。
こちらはソフトバンクの日足チャートですが、これ1枚の画像だけでも様々なところで窓が発生しています。
ギャップアップもギャップダウンもたくさんありますね。
この中の番号を振った4つをかいつまんで説明したいと思います。
1番目は、前日にできたギャップをしっかり埋めてから反発するという教科書通りの形ですね。
2番目も、2日前にできたやや大きいギャップを埋めてから大きく下落していきました。天井から連日ギャップを作って下げていたので、ここの窓埋めからの売りエントリーは狙われて当然とも言えるでしょう。
3番目は当日できたギャップも埋めていますが、2日前にできた大きいギャップを埋めたのにもかかわらず下落しませんでした。
下落トレンドの中、ギャップを埋めてなお上がっていくという動きはとても強いです。
実際ここからしばらく上昇トレンドが右肩上がりに形成されていくのですが、こういう窓埋めの動きからトレンド転換のヒントを得る事もできるのです。
4番目はかなり過去のギャップ(ローソク足12本ぐらい)に反応したケースです。
このように窓を埋める時はしばらく時間が経ったあとでも意識されることが多いです。
過去の需給がどうこうというよりかは、これも窓埋めしたら反発すると思っているトレーダーが多いからなのではないかと単純に思います。
アイランドリバーサルのチャートパターン
先ほどのチャートの中にアイランドリバーサルというチャートパターンが存在しています。
ギャップアップの後に天井を形成し、ギャップダウンをつけ下がっていく。
このような形をアイランドリバーサルと言い、かなりの確率で相場が転換していくと言われています。
窓を埋めない動きが両端に存在し、天井や底のローソク足は離れ小島のような形になっていることからこの名前が付いています。
上の画像のように3本のローソク足で構成されることもあるし、もっと多くのローソク足で構成されることもあります。
両端にギャップが存在し、そのギャップが埋められなければアイランドリバーサルの成立です。
ギャップが埋まらないのは強い動きである、ということをよく表したチャートパターンですね。

アイランドリバーサルは比較的、知名度が低いチャートパターンだ。
なのでチャートパターンの記事では紹介してこなかったが、覚えておくといいだろう。

窓(ギャップ)の考え方まとめ
- 窓が出来ると需給バランスが偏る可能性が高まる
- 窓は埋まるもの、と多くの相場参加者が考えているので窓埋めが起こる
- とはいえ窓は必ず埋まるわけではない
- 何日も時間をかけて埋める場合も多い
- アイランドリバーサルの形にはよく注目しておく
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