相場の動きというものは複雑な動きをよく見せるものです。
時にはランダムに動いているかのように思えるほど理解しにくい時
しかし、そんな中でも「直近の高値を超えると反落する」
もちろん、逆に「直近の安値を超えると上がっていく」ということも同様に起こります。
「え、マジで!?!? じゃあブレイクアウトって何なのw」
高値、安値更新後の相場の動き
まず誤解してほしくないのですが、直近の高値や安値が更新されても、反対の動きが必ず起こるわけではありません。
特に強いトレンド相場においては直近の高値安値を更新しても、押しや戻りをほとんどつけずにグングン値が伸びていく、ということがよく見られます。(それをブレイクアウトと言ってもいい)
では直近の高値を超えると下がり、
上の画像は日経平均の2022年1月~7月あたりの日足チャートになります。
まずは大きい規模の値動きの波から見ていきたいと思います。
3つの高値、安値のポイントをつけてみました。
①番の高値を更新するとその後相場は下落し、②番の高値も同じように更新後急落しています。
③番の安値のポイントは更新後、上昇しているのがチャートを見るとわかるかと思います。

この辺に関してはバチバチに反応してるね。
どの程度こういう動きになるのかは、ぜひ色んなチャートで検証してみてくれ。
続いて、もう少し小さい規模の値動きの波も見ていきたいと思います。
同じ日経平均のチャートですが、今度はより細かいところの反応を見ていきます。
上の4つの安値ポイントも、更新した時に反応して上がっていく現象が見られます。

わずかローソク足3本、4本ぐらいではあるが、安値を更新したあと上がっているのがわかるね。
しかし、このポイント以外のところではまったく反応していない高値、安値ポイントもあることに注目してほしい。
例えば上の3つの高値ポイントに関しては、更新後に下落するという動きがほとんど見られません。
これが意味しているところはなんなのでしょうか?
高安値更新後の動きから見られる相場のリズム
目立った高値を更新すると下落する、目立った安値を更新すると上昇する。
それは多くのトレーダーがその高安値を目標にして相場を見ているからだと言えます。
なぜ高安値を目標にするのかと言えば、それがトレンドの継続や転換を占う重要なポイントだと考えられているからです。
すでにお気づきの方もいるかと思いますが、ダウ理論の話につながっていくわけです。

あらゆる高値、安値に対してチャートが反応を示すということは、それだけダウ理論を相場参加者が重要視していると言う事になります。
私がダウ理論が大事だと考えているのは、こういう風に実際にダウ理論を基に相場が動いているからなのです。
多くのトレーダーが目立つ高値、安値を利確目標にし、また新規のエントリーのポイントとして考えています。

上の記事でも紹介しましたが我々個人トレーダーも、大口の相場参加者と同様に目立つ高値を目標に利確をしていくべきです。
先ほどあげた3つの高値ポイントは、更新しても反応がありませんでした。
ということは、相場参加者はそこを目標として考えていないということが言えます。
相場参加者が反応しているポイントを追っていくと、相場参加者がどういうリズムや規模でチャートを動かしているのか、といったものが見えてきます。
これはチャートを分析する上で非常に重要な要素で、絶対に慣れていく必要があります。

上の記事でも解説をしていますが、チャートに波を引くのはチャートを簡素化してシンプルに見ることが目的です。
そしてそれは相場参加者がどう相場を動かしているかを探ることにつながります。
先ほどの日経平均のチャートに波を引くなら、上のような形をまず引くといいでしょう。
3つの反応しない高値ポイントがありましたが、反応しないということは重要ではないポイントなので、1本の波をそのまま引いてしまえばいいと思います。
こういった規模やリズムで相場を見ていると、「上だか下だか方向がまったくわからない」といったことも減ってきます。
ブレイクアウトの判別
冒頭にブレイクアウトについて触れましたが、ブレイクアウトはここまで解説をしてきた高値、安値更新後の反応がないパターンであることが非常に多いです。
今度のチャートは日経平均の週足チャートです。
大きく下げているところはコロナショックで、2018年~2022年あたりのチャートになります。
コロナショック後は本当に強い動きが続きました。

こちらの記事でも紹介しましたが、コロナショック後の上昇は多くの売り方トレーダーを退場に追い込みました。
目立つ高値を超えると相場は反落する。
上のチャートでいえば黄色いゾーンは通常めちゃくちゃ売られるはずのポイントになります。
コロナショック前の高値であると同時に、左側には過去の高値が2つもあるわけですから。
このポイントでほとんど下落の反応を見せない、というのはかなり異常です。
この事を知っておくだけでも大きな損失は避けられますし、ブレイクアウトにもし乗れれば大きな利益を得ることもできます。
「これはブレイクアウトの動きかも」
というイメージは高安値更新後は常に持つようにしましょう。
高値を超えると相場は下がる?まとめ
- 目立つ高安値を更新すると、反応があることが頻繁に見られる
- 小さい規模の値動きでも、その現象は見られる
- まったく反応しない高安値のポイントもある
- 相場参加者が目標にしている高安値のポイントは反応がある
- 反応があったポイントから、相場のリズムを知る
- 反応がない場合は、ブレイクアウトの可能性があることをイメージする
コメント