IPOは新規公開株のことです。
新しく上場する株は、事前に各証券会社から申し込むことで買うことができます。
ただし、安く買えるということで応募者が殺到するので多くの場合抽選という形になります。
必要になるのはIPOを購入するお金だけです。
抽選に参加するのは特に手数料がかかったりするわけではないので、積極的に参加した方がお得です。
今回は、そんなお得なIPOについて知っておくべき基本事項についてお話をしていきます。
IPOの参加方法
新しい銘柄が上場する時、我々一般のトレーダーが事前にその株券を手に入れる方法は、自分が使っている証券会社から申し込むことです。
では自分がメインで使っている証券会社からどれでも申し込めばいいのか、というとそうでもありません。
実はIPOは各証券会社にどれだけの株数が割り当てられるのか、事前に決まっているのです。

ちなみにこちらは96ut.comというIPO銘柄専門の情報サイトなのですが、私もよく利用させていただいてまして、今回はこちらのサイトをメインに引用させていただきます。

さて、上の画像のようにIPOの割り当ては各証券会社によってかなりの偏りがあります。
どのIPOにも主幹事となる証券会社が決まっていて、主幹事には多くのIPOが割り当てられます。
この割り当ての中から抽選が行われますので、もちろん我々一般トレーダーは主幹事証券で申し込むことで当選の確率を上げることができます。

ていうか、逆に言うと主幹事以外の証券会社から申し込んでもまず当たらないと思った方がいいね。
ちなみにネットからの申し込みと対面証券での申し込みでは別の抽選枠となっているようなので、対面証券を活用できる人はした方がさらに当選確率を上げることができるでしょう。
IPO銘柄はどれに申し込む?
IPO銘柄と言っても色々な会社が存在し、どれを申し込めばいいのか、どう会社を判断したらいいのか迷うかもしれません。
これは結論から言うと、申し込める限り全て申し込んでおいた方がいいです。
SBI証券の口座は皆さん持ってるかと思いますが、SBI証券ではIPOの抽選に参加するだけでIPOチャレンジポイントというものがもらえます。
このポイントを貯めると、ポイントを使って当選確率を上げることができるので、ポイント目的でとにかく100株だけ抽選に参加するというのがおすすめです。
SBI証券が主幹事のIPOはけっこう値上がりする事が多く、競争率は高いですが狙っていくべきかと思います。
上の画像はアイズというSBI証券が主幹事のIPO銘柄です。
公開価格の2200円という金額が抽選で当たった人達が買えた金額です。
初値は実際に上場した時に初めて寄った価格です。
つまり抽選で当たった人はいきなり2倍以上に持ち株の株価が上がった状態でスタートすることができるわけです。

100株で考えるといきなり約30万円の含み益が出ているってこと。
初値で売るもよし、さらなる上昇を夢見て持ち越すのもよし。
人気のIPOは抽選に当たった時点でもう勝ちは確定だろう。
この例はなにも特別な例ではなく、公開価格の2倍程度の初値がつくケースは多々あります。
なかには3倍、4倍(稀にそれ以上)と初値がかなり高くつく場合もありますので、抽選は絶対に参加しておきたいところですね。
さて、上の画像の吸収金額と時価総額にも触れておきましょう。
吸収金額というのは公開株数×公開価格で決まるのですが、要はIPOの規模の大きさを表しています。
これは小さい規模であればあるほど大きく上昇するとされていて、人気が高くなります。

公開される株数が少ない方がよりプレミアチケットになるってことだな。
一般的に10億以下の吸収金額ならば小型IPOと言えるだろう。
時価総額についても吸収金額と同じで、小型であるほど人気が出ます。
100億以下の時価総額であれば小型といえるのではないでしょうか。
ただし、例えば200億円ぐらいの中型規模の時価総額のIPOはダメなのか、というとそんなことはありません。
中型のIPOでも事前の予想に反して大きく上がることもあるのがIPOです。
また初値が安くついても、そこから数日の間に大きく上昇するというケースもあるので、IPO銘柄は上場後しばらくは注目しておく価値があると言えるでしょう。
ロックアップを理解しておこう
IPOに参加するのであれば、ロックアップの仕組みは絶対に知っておかなければいけません。
IPOに参加する時は、大株主リストを見ておきましょう。
IPOの大株主リストにVC(ベンチャーキャピタル)が多い場合は注意が必要です。
なぜならVCは我々トレーダーと同じく値上がり益が目的で保有しているからです。
つまり初値が高く付けばVCが大量に利確売りを浴びせてくる可能性があるのです。
上の画像のように、IPOでは大株主リストにVCがズラリと名を連ねている場合があります。
このnoteというIPO銘柄の場合、1番下に書いてあるように598万株もの売り圧力が上場してから控えていると言ってもいいでしょう。
さて、右側の欄にロックアップという項目がありますがこれが最も重要です。
ロックアップ90日というのは上場してから90日間は売れない、ということになります。
180日なら上場してから180日間売れません。
1.5倍というのは公募価格(公開価格)から1.5倍までは売れない、ということになります。

上場してから大株主が好き放題売れると株価が値崩れする。
だからある程度縛りを決めているわけだね。
我々トレーダーはIPOが上場して数日間を注目することが多いので、90日や180日という日数のロックアップはあまり考慮する必要はないでしょう。
しかし、1.5倍や2倍といった価格のロックアップは絶対に注意しておいた方がいいです。
公募価格の1.5倍までは売れない、というのは当然ですが1.5倍以上からは売れる、ということになります。
つまり公募価格の1.5倍以上からはいつ売り玉が降ってくるかわからないので、上値を追いにくいということになります。

相場参加者の全員が1.5倍の株価を意識するから、そこに近づけば売られる、という現象が当然起きてくる。
もしロックアップを理解してなかったら圧倒的不利な立場になってしまうだろう。
先ほどnoteというIPO銘柄の大株主リストを出しましたが、このnoteはロックアップ1.5倍が意識されているにも関わらず、ほぼ1.5倍のところで初値が付きました。
公募価格が340円でロックアップ1.5倍が510円ということになりますね。
初値が521円ということで、このあとどのような動きになったのでしょうか?
こちらはnoteの日足チャートです。
意識されるであろうロックアップ1.5倍(510円)に黄色いラインを引いてみました。

こりゃひどいね。
上場直後は一瞬上を目指す動きも見られたが、見事にその後は510円で跳ね返されている。
まああれだけVCが揃って1.5倍のロックアップとなると、こうなるわな。
このようにVCの売り圧力というのは相場参加者から強く意識されます。
ですので、大株主リストにVCがまったくいないIPOや、しっかり90日や180日といった日数でロックアップがかかっているIPOは人気化しやすいです。
IPOに当選した場合は、必ずVC保有とロックアップを確認し、売るタイミングを間違えないようにしましょう。
IPOに参加しようまとめ
今回はIPOの基本的な知識について解説をしていきました。
- IPOはできれば主幹事証券の口座から申し込む
- SBI証券などではとにかく参加してポイントを貯める
- 吸収金額と時価総額は小型が人気化しやすい
- ロックアップ条項をよく確認しておく
以上が今回のポイントとなります。
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