前回のダウ理論はもっともテクニカル分析で重要であると説明しましたが、2番目に重要なテクニカル分析は何かと考えた時に、私は水平線をあげたいと思います。
水平線をチャートの中に引くことで、チャートの中で注目すべき場所というものがはっきりと見えてきます。
そしてそれは、今後も反応する確率が高い場所であることを示しています。
水平線は非常にシンプルでかつ効果的なテクニカル分析法だと思います。
私自身も水平線1本でトレードをすることもしばしばありますので、今回は実践的な使い方もふまえてわかりやすく説明したいと思います。
水平線はどこに引くのが正しいのか?
当たり前ですが水平線は好き勝手にどこにでも引くものではありません。
しっかりと意味のある場所に引いてこそ効果を発揮します。
また、水平線は引きすぎてもチャートが見づらくなってしまい、どこを注目すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。

もっとも重要であると思われる場所から引いていき、1つのチャートに3本前後って感じが見やすいのかなとは思うね。
それでは、具体的にどういう場所に水平線を引けばいいのでしょうか?
私の考えは以下の通りです。
- 直近の高値や安値
- 過去に何度も反応があった場所
- サポートラインとレジスタンスラインが反転した場所
このあたりになります。
それでは、1つ1つ実際のチャートを見ながら解説をしていきましょう。
直近の高値や安値に水平線を引く
まずはもっとも簡単なやり方から紹介していきます。
直近の高値や安値に水平線を引いてみましょう。
直近の高値や安値は多くの相場参加者が注目しているポイントになりますので、この付近に価格が近づくと、大きく動く可能性が高まります。
高値や安値はラインを引かなくてもすぐ目につくのですが、最初のうちはしっかり引くようにしましょう。

上のチャートは、日経平均先物の日足チャートになります。
期間は2022年3月~8月あたりのものです。

直近の高値と安値に引いた水平線が青いラインだな。
ピンポイントってわけにもいかないが、大体ラインの近辺で跳ね返って反応している箇所が5箇所も見られるね。
上のチャートのように、レンジ相場であれば当然こういった高値安値に引いた水平線は絶大な効果を発揮します。
しかし、レンジ相場というのは多くの人が「これはレンジだ!次に上に来たら空売りしよう」とか考えだしところでレンジブレイクして上にすっ飛んだりするものですw
ですから、レンジ相場はなるべくレンジの前半部分から勝負をしなければいけません。
そのためには、常に直近の高値や安値に注目をしておく、ということが大事になるかと思います。
過去に何度も反応があった場所に水平線を引く
過去に何度も跳ね返された実績のあるポイントは、今後もそれが起こる確率が高いです。
ですから、そういう場所を見つけたら、しっかりと水平線を引いておきましょう。
上のチャートは、日経平均先物の1時間チャートです。
期間は2022年の9月14日あたりのものになります。
このチャートでは、何度も下値支持線(サポートライン)として反応していた水平線が下にブレイクし、下降トレンドへとつながりました。
こういう何度も反応があった場所のブレイクというのは要注意です。
上のチャートでは400円程度しか下振れしませんでしたが、こういう形からもっと大きく下がるケースは多々見られます。

まあ要注意ってのは、逆に言えば売りで攻める場合は大チャンスの形となる。
相場ってのは大きく動くであろうところを警戒し、同時にエントリーのチャンスもうかがう。
どういうところが大きく動くのか、よくよくチャートを分析してほしいと思う。
さて上のチャートの右端の部分では、下落から切り返して上がってきたが再びこの水平線で跳ね返されているのがわかりますね?
このように、過去に何度もサポートラインとして機能した場所は、今度はレジスタンスラインとして機能することが多いという現象がよく起きます。
このような現象をロールリバーサルと呼びます。
ちなみに、上のチャートのさらに右側を見てみましょう。

1カ月以上経過したにもかかわらず、また反応があったみたいだな。
1度引いた水平線は、しばらく時間が経過しても残して注目すべきだろう。
サポートラインとレジスタンスラインが反転した場所に注目
ロールリバーサルは水平線でもっとも注目すべきポイントです。
なぜなら、トレンド相場において押しや戻りを狙う時、このようなロールリバーサルの水平線でのエントリーを簡単に狙うことができるからです。
上のチャートは、ダウ理論の記事の中で出てきたチャートです。
このような形になった時、私は積極的に買いを狙いたいと言ったのを覚えていますでしょうか?
それが上のような赤い水平線に押し目がきてくれれば、さらに狙いたい形になったと言えます。

ダウ理論の記事をまだ読んでいない方はぜひ読んでおいてくれ。
上の絵のように、ダウ理論と水平線は別々で考えるのではなく、併せて使うものだから両方の理解が必要になってくるぞ。

上のチャートはNYダウの1時間足チャートです。
期間は2022年2月~4月あたりのものになります。
このチャートのように、水平線1本で戦える相場というのも割と存在します。
これほどきれいにロールリバーサルが決まってくれれば、エントリーもとてもしやすいかと思います。
ぜひ同じチャートを見てみてください。
この場合はすでに12月21日に目立つ押し安値を割っているので、ダウ理論的には下目線の場面です。
なのでチャートの右端の矢印3つはぜひとも売りエントリーを狙いたい場所、ということになります。
ロールリバーサルはなぜ起きるのか?
サポートラインとレジスタンスラインはブレイクすることにより役割が逆転するのですが、ではなぜこのような現象が起きるのでしょうか?
これはぜひともよく考えておきたいテーマです。
というのもこれは相場心理を読み解くことで見えてくる事だからです。
先ほど2つ目で使ったチャートと同じものです。
サポートラインで何回も跳ね返されたわけですが、それはつまり左の黄色いBOXの中でポジションを取った人が多数いるということになります。
もちろん買い方も売り方もです。
ここで考えたいのは買い方の心理です。
サポートラインを背にして上がると思っていた買い方達は、サポートライン割れの下落が起こりどうしたでしょうか?
優秀なトレーダーはサポートライン割れですぐに損切りを行ったでしょう。
その損切りがあって後の下落につながっていることは間違いないと考えられます。
しかし、多くのトレーダーは損切りが苦手です。
損切りしなきゃいけないとわかっていてもできないのが個人トレーダーです。
つまり黄色いBOXでポジションを取った人が多数捕まっている状態だと考えられます。
そんな状態で相場がチャートのように切り返してきたらどうでしょうか?

まあ喜んで同値決済するだろうね。
トントンで全然OKって感じで多くの人が売ってくる。
だからこそチャートの右側で今度はレジスタンスラインとして機能してしまう。
こういうのをやれやれ売りと言いますが、個人の動向はいつも同じなのでこういうところが狙われます。
つまり、あそこで個人が売ってくるのがわかっているから、大口は売りを浴びせてくるのだろうと思います。
一瞬の上ヒゲなどになりやすいのもそういうことだろうと考えています。
なのでサポートラインが今度はレジスタンスラインとして機能するロールリバーサルが起きます。

このあたりの話は大衆心理の話となってくるので、その時にまた詳しく扱うことにしたいと思う。
ここで覚えておいてほしいのは、チャートには大衆心理がおおいに絡んでおり、勝っているポジションの人と負けているポジションの人の気持ちを考える習慣を身に着けてほしいということだ。
水平線の使い方まとめ
今回は水平線の引き方について話をしてきました。
なかなか実践的な部分の話も多く、具体的にエントリーする場所のイメージが湧いてきたのではないでしょうか?
今回の話をふまえ、ぜひ実際のチャートで検証を続けてみてください。
水平線がどの程度機能するのか、ロールリバーサルは何回続くのか、エントリーポイントを絞ることはできそうかどうか。
ダウ理論と水平線だけでもはっきり言って勝ち続けることは可能でしょう。
それほどにこの2つは重要なテクニカル分析です。
ですのでけっこう気合いを入れて記事を作りましたw
皆さんのトレードの参考になれば幸いです。
コメント