今回は前回のニュースはいい加減ですべて後付け?の補足記事になります。
前回ではニュースを鵜呑みにせず、情報リテラシーを高めるべきだという話をしましたが、今回は具体的に私がどう行っているのかについてお話をしていきたいと思います。
ファンダメンタルズ分析vsテクニカル分析というテーマは投資の世界ではよく議論されます。
基本的にはどちらか一方をメインの武器として戦っているトレーダーが多いかと思います。
私自身もほとんどチャート分析でトレードプランをたてますし、例えば株を買うときにはその会社の決算書を見たりすることもほぼありません。
どんなトレードもチャート分析がすべて、と考えていた私ですが、ここ数年で少し考え方が変わりました。
ファンダメンタルズ分析は長期投資の際にはやはり必要なものであり、それは専門家に任せた方がいい。
そして、企業分析の前にまずマクロ経済をしっかり理解しておくのが重要だと考えるようになりました。
いい銘柄を選んで買う事は大事ですが、結局はいい銘柄も全体地合いが下降トレンドであれば下がってしまいます。
ですからまずは全体地合いがどうなっていくのか、ということを知っておく必要があります。
今回はマクロ経済の重要性について、私の経験をふまえてお話をしていきたいと思います。
米国の政権交代から円安ドル高の流れ
私はとある情報配信に毎月お金を払って情報を得ています。
その情報というのは、まあいわばただのニュース解説なのですが、私にとっては価値のあるものです。
現代は無料で色んな情報が得られる社会となりましたが、それは逆に本当に価値のある情報が手に入りにくく、自分自身で見つけていく必要がある社会なのです。
これが情報リテラシーで、価値の無い情報は見る必要が無いと言えます。
2020年のアメリカ大統領選挙以降、言論統制が世界中で強まり、本当に価値のある情報が見えにくくなっています。
それすら気づかない人々も大勢いるかもしれませんね。
TwitterやYouTube(google)がかなり検閲を強めているのを見て何とも思わないようであれば、鈍感と言わざるを得ないと思います。
さて本題に戻りまして、2021年にバイデン政権は誕生したわけですが、政策の中身を見てその配信では「確実にアメリカはインフレに向かい、テーパリングや利上げを行うことになるでしょう。ですから今後はドル高円安の流れに注意をし、ドル資産を持っておくべきです。」と解説されていました。
バイデン大統領が就任した2021年1月にもそう解説されていたし、なんならそれ以前から民主党の政策を見てそう解説されていました。
そして実際にインフレが始まったあとも、その配信では現地の生の声や実状も伝えていました。
ですから私は、アメリカのインフレがかなり深刻であることをかなり早い段階から知っていました。
日本でインフレに関するニュースを報じ始めたのはそれからずいぶん後のことです。

みんかぶより引用
こちらはアメリカのCPI(消費者物価指数)です。
前年比で左側が予想、右側が結果となっています。
2021年3月あたりからどんどんインフレになっているのが一目瞭然です。
日本の報道ではロシアのウクライナ侵攻でインフレになったという印象が強いのではないでしょうか?
たしかにロシアのウクライナ侵攻でインフレがさらに加速したことは間違いありませんが、それ以前にすでに7.5%のインフレ率だったわけです。(ロシアのウクライナ侵攻は2022年2月)
前回の記事でも触れていますが、FRBのパウエル議長は2021年11月まで「インフレは一過性のものである」と言い続けてきました。
この説明が苦しいものだということは、アメリカの実状を知っていればすぐにわかります。
バイデン政権では、ご存じの通りコロナ対策で巨額の財政出動を行ってきました。
一方で企業に対しては引き締めを強くする政策をとってきました。
需要を強め、供給を弱めればインフレに傾くのは当然の結果ですね。
結果的にその配信の解説通り、アメリカはテーパリング、利上げへと向かいました。
2022年は株価は大きく下がり、歴史的なドル高円安の1年となりました。
特にドル円相場はびっくりさせられましたね。
ドル円の週足チャートです。
ご存じの通りかと思いますが、113円から151円までいきました。
FXをやらない方はピンとこないかもしれませんが、これはとんでもない変動です。
ドル円でしたら、1日に2円動けばけっこうなボラティリティだと思いますが、そう説明すれば少しイメージが湧くでしょうか?
私ももちろん110円台の時に資産をドルにかなり変えていたので、為替差益で相当な利益を得ることができました。(FXで爆益を取れなかったのが悔やまれますが)
マクロ経済を知っておくだけで利益は大きくだせる
歴史的な円安も、米株の下落も私にとってはけっこう衝撃的な結果となりました。
何しろこういった強い値動きはテクニカル分析によってしかわからない、と思ってましたから。
現にドル円はどこかで強いブレイクが起こる、というのはずっと長い間言われていました。
民主党政権下でドル円は底を打ち、アベノミクスで125円まで上がりました。
そこから押し目を作り、その押し目の中の値幅でずっと何年も動き続けていました。
何年もトライアングルのような形になっており、これはブレイクしたらかなり強い動きになるのでは、と考えるトレーダーは多かったと思います。
それをテクニカル分析ではなく、経済政策の面から言い当ててしまったのですから驚きです。
私は日経平均先物をよく取引するのでマクロ経済はそれなりに動向をチェックしています。
しかし少し軽視しすぎていたなと見直すきっかけになったのが2022年でした。
別に難しい勉強をする必要はないと思います。
本当にちょっとした知識だとは思うのですが、正しく経済を知っておくだけで資産を大きく増やせることもできるわけです。
インフレが深刻だと理解していた人は、余裕で110円台でドルを買うことができました。
一方で日本のニュースなんかで「円安が加速し、ドルを買う人が増えています」なんて報道し出した時はもう140円台とかだったと記憶しています。
大体こういうのはメディアが騒ぎ出したら天井、みたいに言われますがけっこうそうなる確率は高いです。
ビットコインなんかもそうだったと思いますし。
2022年が下落の年になることはわかっていたので、私はショートでかなり稼がせてもらいました。
もちろん下落による損失も回避できましたし、この1年は言う事なしの成績となりました。
マクロ経済を正しく知り、テクニカル分析をそこに加えれば最強なのではないかと思えます。
皆さんにも、正しく経済を学ぶことを強く強く勧めておきます。
しばらくは、本当に利益に直結するような展開になるのではないかと思います。
2023年の動向
日本は長らくデフレが続き、経済成長もほぼせず、給料も上がらないという状態を繰り返しています。
しかし、ここへきてコストだけが上がる物価高という局面にぶち当たっています。
おまけに増税の話も出てる中、どういった方向へ進んでいくのでしょうか?
日銀も新総裁に変わり、利上げの方向へ進むのか注目が集まります。
一方で円安がもっと進んでいくと、輸出企業にとって大きな追い風となっていきます。
アメリカのインフレは弱まってきていますが、果たして頭打ちになったのか?
利下げの話題が出てくるのはいつ頃か?
共和党は次は勝ちそうか?そうなれば政策はどうなるか?
2023年は日本にとってもアメリカにとってもかなり転換期になりそうです。
ですから2022年同様に、マクロ経済をしっかり見ておく必要があると思っています。
ファンダメンタルズ分析は必要か?まとめ
- 企業分析より前にマクロ経済を知るべき
- インフレ、テーパリング、利上げ、すべて早い段階で知る事ができた
- 日本のニュースで知るようでは遅すぎる
- 2023年もマクロ経済がとても重要な年になる
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