ニュースはいい加減ですべて後付け?

コラム
Pocket

コラムという新しいカテゴリーで、ためになりそうなちょっとした小話をしていこうかと思います。

 

決算発表や経済指標、地政学リスクなどニュースがマーケットに強い影響を与えることはよくあります。

ポジティブなニュースは上昇へ、ネガティブなニュースは下落へ、とつながっていくのは誰もがイメージする当然の流れですね。

しかし時にはインパクトのあるニュースにも関わらず相場は無風だったり、ポジティブなニュースでも下落の反応を見せることもあります。

これらの違いは一体なんなのでしょうか?

私は結局のところ大口の動かしたい方向に価格は動いていき、ニュースはその動きを見てもっともらしい解説をしているだけである、と考えています

全部が全部そうであるとは思っていませんが、そうとしか考えられないことがあまりにも多い印象です。

スポンサーリンク

決算持ち越しはギャンブル

決算発表ほどいいかげんなものはありません。

決算内容が株価にどう影響するか、これは非常に予想の難しいものです。

というか予想するだけ無駄なのかもしれませんね。

決算内容が良くても株価が下がる、悪くても株価が上がる、ということだってよくあります。

決算は良好だが、予想よりかはやや弱く失望売りにつながった、とか

決算内容は悪いが、懸念されていた決算を通過して悪材料出尽くしとして上昇につながった、とか

物は言いようで、ニュースの記事にはもっともらしい解説がされます。

 

KATORI
ルル

別に実際に売買している人にインタビューしたわけでもないだろうし。

そうなると記事の内容はほとんと妄想ってことにもなるわな。

 

さらには各メディアやサイトでも解説がまったく違うなんてこともざらにあります。

決算の持ち越しはギャンブルと言われていますが、大してサプライズ感のない決算内容でも大きく動いたりもするので、本当に注意が必要だと思います。

特に株の世界では、いい決算やいい材料が出たところが天井になってそこから大きく下がっていく、なんてパターンが多いです。

材料出尽くしとか織り込み済みなんて解説がされますが、ただ大口が売り逃げたというのが実態なのではないかと勘繰ってしまいます。

 

おそらくですが、事前に決算内容が一部で漏れている(いわゆるインサイダー)ことも日常的に起きているのではないかと想像します。

こういう動きを見ていると、ファンダメンタルズ分析とはなんなんだろうか?ファンダメンタルズ分析は必要ないのではないか?という気持ちになりますね。

経済指標やFRB

FXの世界では経済指標や中央銀行の政策が非常に注目されます。

アメリカでもっとも注目される経済指標が雇用統計ですが、この雇用統計も時に予想とまったく違う数値が出ることがあるので困ったものです。

みんかぶより引用

こちらは直近の雇用統計のデータですが、ご覧の通り赤枠で囲ったところは見事に予想を大きく外しています。

上の期間で見ればほとんど半分ぐらいの確率で大きく外していることになるでしょうか。

 

KATORI
ルル
 

各新聞や経済誌も軒並み外してるってことだからねー

そういった情報がいかに信頼性に欠けるのかってことだな。

雇用統計の予想というのはそれほど難しいものなのか、あるいは相場を大きく動かす目的なのか、実状はわかりませんが、予想はあてにならないという事だけは確かな事実でしょう。

 

アメリカにおいては、そもそもアメリカの中央銀行にあたるFRBがあてにならないというのが最も厄介です。

世界経済の動向はやはり現在でもアメリカの動向次第で変わってきます。

簡単に言えば、アメリカの株価が下がれば日本だけでなく世界中の株価は連動して下がるものです。

ですから我々トレーダーは、アメリカの金利政策や経済政策については最低限知っておく必要があるかと思いますが、これがなかなかニュースを見ていても事実がわからないものなのです。

 

2021年から進んでいったインフレについて、FRBのパウエル議長はずっと「インフレは一過性のものでやがておさまる」と言い続けてきました。

しかし、おさまるどころかどんどんインフレは進行していき、11月末についに降参しこれまでの見解を変えることを発表しました。

パウエル議長「一過性」の表現撤回-早期利上げの可能性に道開く
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は11月30日の議会証言で、金融当局がインフレ高進について用いてきた「一過性」という表現について、「恐らくこの言葉を使わないようにする良いタイミングがきた」と語った。

こちらは当時のブルームバーグの記事ですが、このあとアメリカはテーパリング、さらには利上げという道筋をたどっていきました。

それらによって株価がどれだけ下がったかは皆さんもご存じの通りです。

もちろんパウエル議長は相場が急落しないように、しないようにと慎重に発言を重ねてきたのは見ていればわかります。

ですからインフレが深刻なものであるという認識はありながら、楽観視しているというメッセージを出してきたのだと思います。

まあ本当のところは本人にしかわかりませんが、額面通りに受け取っていてはダメだということです。

 

FRB議長がインフレを軽視していれば、まずニュースもそれほど騒がないし取り上げもしないでしょう。日本のメディアならなおさらですよね。

ですが、ちゃんと実状をわかっている人はインフレはかなり深刻な問題になっていくと思っていましたし、それを大きな利益につなげることも容易だったと思います。

我々トレーダーはニュースに踊らされないよう情報リテラシーを高める必要があります。

日本の新聞なんかを読んで「なるほど」などと言っているようではダメです。

日本のニュースなんかはアメリカの後追いですから、日本のニュースに取り上げられるタイミングなんてのは、相場ではとっくに大きく動いた後のタイミングだったりします。

アメリカのインフレは本当にいい例だと思うのですが、日本でインフレがニュースに取り上げられだしたのはいつ頃だったのか、よく思い出してほしいと思います。

地政学リスクによる株価の下落について

地政学リスクと一言で言ってもいろいろあるとは思いますが、これらも「おかしいなー」と思う事がよくあります。

例えば、以前は北朝鮮がミサイルを撃ってくるたびに相場が下落する時期がありました。

しかし、最近ではミサイルを撃ってこようがほとんど無風状態です。

「頻繁に撃ってくるので投資家心理としては慣れてきた」みたいなニュース解説がされていますが、本当にそうなのでしょうか?

北朝鮮自身がドル円をショートし、ミサイルを撃って外貨を獲得しているという噂もありますが、だとしたら今現在はそのやり方で外貨は獲得できていないでしょう。

2022年8月4日には、中国がミサイルを撃ってきました。

“中国が弾道ミサイル9発発射 うち5発は日本のEEZ内に”防衛省 | NHK
【NHK】防衛省は、中国が4日午後に弾道ミサイル9発を発射したとみられると発表しました。このうち5発は日本のEEZ=排他的経済水域…

中国の弾道ミサイルが日本のEEZ内に落ちるのは初めての事で、これはかなり相場に影響するのではないかと思いましたが、結果としては無風でした。

むしろ翌日の日経平均は普通に上昇し、何事もなかったかのような動きとなりました。

おそらくこの時が下降トレンドであれば、これを材料にかなり売られたのではないかと想像をしますが、本当に不思議なものです。

 

ニュースはいい加減で後付けまとめ

  • 決算を受けての株価の動きは何とでも説明できる
  • 経済指標の予測は信じない方がいい
  • FRBの見解も信じない方がいい
  • 情報リテラシーを高め、日本のメディアより早く情報を得る
  • 地政学リスクが相場にどう反応するかは、トレンド次第?

コメント

タイトルとURLをコピーしました