日経平均チャートはきれいなヘッドアンドショルダーを形成?

テクニカル分析
日経先物4時間足チャート
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日経平均が非常に大きなボラティリティで連日上下に動いています

6月16日には34000円あたりまでの強い上昇を見せ、そこからは強い下落の動きとなりました。

特に6月23日は前日比でマイナス1000円を超えるなど、久々に大きな調整が見られました。

この一連の上げ下げは非常に教科書的な動きで、今回どうしても記事に取り上げたいと思いました。

このサイトを開設しているのも、今回のように実際のチャートというのはけっこう教科書的に動く事も多いと伝えたいためです。

テクニカル分析の基礎をしっかり学んでおけば、教科書的なチャートは簡単に狙えるようになるんだという事を、今回の記事を通して伝わってもらえればと思います。

 
 
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ヘッドアンドショルダー(三尊)の形と見るべき時間軸

 

今回の日経平均の動きは、これまで当サイトで取り上げてきたテクニカル分析の基本が1つのチャートに詰まった形になっています。

なので総復習といった感じで1つ1つ見ていってもらえればと思います。

まず全体像として、日経平均はヘッドアンドショルダーをきれいに形成して下落した形となっています。

日経先物4時間足チャート

しかも今回のヘッドアンドショルダーは右肩下がりの形となっており、チャートパターンの記事で紹介したように、この形はショートを狙う鉄板の形でした。

テクニカル分析の基本④ チャートパターン
チャートパターンにはトレンドの反転のサインとなるものと、トレンドの継続を示すものが存在する。反転のサインとなるものにはダブルトップやヘッドアンドショルダーなどがあげられ、トレンドの継続を示すものはトライアングルやフラッグがあげられる。

 

ルル
ルル

重要な押し安値を1度割ってから右肩を形成していったので、ダウ理論的にも上昇トレンドが終了したという事実が後押しになるね。

また、ヘッドアンドショルダーの値幅は頭からネックラインまでの距離分、ネックラインブレイクから下がるという話も値幅の記事で紹介しました。

各チャートパターンの値幅とエントリーの考え方
ダブルボトムやヘッドアンドショルダー、トライアングルなど、どのチャートパターンもブレイク後は動く値幅がある程度決まっている。チャートパターンの中の最大値幅分がブレイクポイントから動くというのはとても再現性の高い動きとなっていて、利確の目標として有効的に活用することができる。

あくまでも目安ということですが、セオリー通りになかなかいい位置まで下がってくれたかと思います。

もちろんこれ以上にこの後もっと値幅が出る可能性もまだありますが…

 

さて上のチャートでは4時間足チャートを表示させていますが、これは4時間足チャートがもっともきれいに動いていると思ったからです。

チャートは長期の時間軸から順々に分析していき、最後に短い時間軸に落とし込んでいくというMTF(マルチタイムフレーム)分析をしていくものだとトレンドとレンジの記事で紹介しました。

トレンド相場とレンジ相場
相場はトレンドとレンジの繰り返しです。レンジ相場は次のトレンド相場のための充電期間であり、時間調整としての役割を担っています。トレンド相場とレンジ相場ではエントリーの仕方や利確ポイントなども大きく変わってくるので、今現在がトレンドなのかレンジなのか、という環境認識が非常に重要になってきます。

その中で、もっともきれいに動いて見えるものを重要視していくことが大事です。

きれいに動いているということは、その時間軸を基準に大口トレーダーが動いている可能性が高いと私は考えています。

なので分足がきれいに動いているようなチャートであればそれはデイトレ向きだと思いますし、週足がきれいなチャートであればかなり長期に渡って大きく動かしていくんだろうな、という視点でチャートを見ます。

今現在の日経平均は4時間足チャートがきれいに見えるので、しばらく4時間足チャートは注目して見てみるといいかと思います。

トレンドラインはトレンド相場で効果を発揮する

 

続いてトレンドラインの観点から同じチャートを分析していきます。

3月16日あたりの安値を基準にアウターライン、ミドルライン、インナーラインを引いています。

日経先物4時間足チャート

インナーラインとか何?って方はトレンドラインの記事を復習しておいてください。

テクニカル分析の基本⑩ トレンドラインの使い方
トレンドラインは特にFXでは重要視される。トレンドラインを使う上で重要な事は、まず正しくトレンドラインを引けることである。よく見られる間違いとして、安値や高値を更新していない場所にラインを引いてしまうというものがある。

インナーラインをブレイクすると価格はミドルラインを目指しますので、今現在がミドルラインに達したところです。

たいていはここで1度反発が起こるので、ショートはここらが利確ポイントになってきます。

ミドルラインがブレイクされれば、今度はアウターラインを目指す動きとなる可能性が強まってきますので、このトレンドラインは今後も注目すべきでしょう。

トレンドラインというものは、ぴったり機能したりたいして機能しなかったりするので好き嫌いがあるテクニカル分析だと思います。

しかし、私は今のようなトレンド相場はトレンドラインに注目する市場参加者が多く、機能しやすいと考えています。

日経平均は26000円台から34000円近くまで3カ月に渡る大きな上昇がありました。

今現在の位置というのはバブル期以降では最高値のエリアにいて、いわば青天井相場となっています。

青天井相場というのはチャートの左側が無いわけですから、参考にするレジスタンスラインも存在しないわけです。

そうなると、今のような相場はより一層トレンドラインや重要な押し安値といったポイントが意識されるのではないかと考えています。

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ヘッドアンドショルダーのエントリーポイントをどう絞るか?

 

では、具体的にショートのエントリーポイントをどう絞るべきだったでしょうか?

日経先物1時間足チャート

今度はより細かく見るため1時間足チャートにしています。

まずインナーラインがブレイクされました。

続いて重要な押し安値もわずかに割ってきました。

この時点では当然まだヘッドアンドショルダーになるなんて事はわかりません。

ですがここで考えるべきことはなんでしょうか?

 

それは、「強いリバウンドが来るんじゃないか」ということです。

重要な押し安値を割ると、相場は大きく反転することが確率として高いからです。

高値を超えると相場は下がる?
直近の目立つ高値を更新すると、相場は下落をしていく。また同様に、目立つ安値を更新すると、相場が上昇をしていく。この現象は頻繁に見られるが、それは多くの相場参加者がその高安値のポイントを目標として考えているからである。

そして、先ほどのチャートBOXに囲った部分はエンディングダイアゴナルといって典型的な反転急騰のパターンです。

エリオット波動の記事でも紹介しましたが、ダイアゴナル自体が形成後は比較的大きな動きで反転してくることが多いので注意が必要です。

実践的なエリオット波動の使い方
エリオット波動ではインパルスとダイアゴナルの推進波がある。またジグザグとフラット、そしてトライアングルの修正波がある。大別するとこの5種類で相場の全ての動きを分類できるというのがエリオット波動の考え方である。

私のツイッターでも何度か取り上げてきた形ですが、ぜひ覚えておいた方がいい形だと思います。

この暴騰は正直ロングで取れなくても全然気にすることはないかと思います。

なぜなら、トレンドラインと押し安値ブレイクによって警戒すべきは暴落だからです。

この暴騰を見て、「ヘッドアンドショルダーになるかもな」というイメージを持たなければいけません。

でないと、右肩でショートを入れていくのは心理的にけっこう難しかったと思います。

私も参戦してましたが、それほどこの急騰のリバウンドは強く見えましたからね。

日経先物15分足チャート

今度は15分足チャートです。

左肩ラインの前後どちらでエントリーするかはそのトレーダー次第でしょうが、ここら辺でショートを入れる時にはリスクリワードをしっかり考える必要があります。

リスクリワード比と期待値について
トレードにおける手法はリスクとリターン、そして勝率の3つを総合的に考えて選定していく必要がある。つまり期待値の高いトレード手法である。どの程度の勝率やリスクリワード比を目指すべきかはバルサラの破産確率表がその答えを教えてくれている。

ここでは損切りポイントをヘッドアンドショルダーの頭付近にしておくのがいいでしょう。

と言ってもダブルトップのような形になって切らされる結果になったかもしれないので、ここは各トレーダーの判断次第になってきます。

私自身はうまいポイントでショートのエントリーが出来ましたが、ヘッドアンドショルダーにならなければすぐ逃げる予定でしたから、前回高値より前に損切りポイントを置いていました。

ただ、ここで重要なのはむしろリワードの方です。

ヘッドアンドショルダーが完成すれば1000円幅ぐらいのリワードが見込めるわけで、損切り幅と比較をすればこれは大きな期待値が見込めるポイントなのです。

でも現実はやはりそう上手くはなかなかいかず、私はその後の強いリバウンドで目線が狂わされて中途半端な位置で利確をしてしまいました。

絶好のポイントでエントリーをしたにも関わらず、本当にもったいない事をしたと思っています。

ルル
ルル

完全に日和ったよねー

まだまだ修行が足りないわ

その後の急落は見ての通りですが、ヘッドアンドショルダー形成後の下落というのは本当においしい値動きになることが多いです。

日経平均チャートまとめとメッセージ

今回は過去に取り上げた記事の総復習となりました。

複数のテクニカル分析の基本を知っておくだけで、今回のような教科書的なチャートはしっかり狙えるように絶対なります。

感覚とかセンスとか、相場観とかそういうものは勝つために必要な事ではありません。(私はセンス無いけどずっと勝ち続けてます)

基礎知識があるかどうか

たったこれだけで収支は大きく変わってきます。

ほとんどの人が基礎知識すら無い状態で相場に挑み、負け続けていきます。

「本に書いてあることで勝てるならみんな勝てる」

なんて事もよく目にしますが、本に書いてあることすら知らない人ばかりだと私は思っています。

たしかに本を読んでなんとなく理解しただけでは勝てないと思います。

本を読み、頭で理解し、実際のチャートで検証をし、動いているチャートで実践する

これを繰り返さないと勝てるようにはなりません。

ずっと繰り返すのです。

本も何回も読むことになるでしょう。

1度読んで理解した気になっているようでは絶対にダメです。

トレーダーってのは階段を登るように段階的に1つ1つレベルアップします。

同じ本をレベル1で読んだ時とレベル2で読んだ時では感じ方が違ってきます。

そして何回も繰り返し、100%本の内容を理解する頃には勝てるようになっています。

ぜひ挑戦し続けてください。

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