トレードは負けるようにできている?

メンタル
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重要度 ★★

今回はメンタルのお話です。

トレードルールを決めたのに守れなくて負けてしまった、という経験は最初のうちは嫌というほどするかと思います。

トレードは感情で行うとほぼ負けると言っていいと思います。

しかしそれはトレードの構造ではなく、人間の性質の問題によるところが大きいのです。

その人自身の問題でももちろんありますが、まずは人間の性質を理解することが必要です。

感情で行うトレードは無意識のうちに期待値の低いトレードになってしまいます。

なぜトレーダーはルール通りに行うことが難しいのか、心理学でよく使われる用語を踏まえて解説を行っていきたいと思います。

なお今回の話はまあまあ重要なのですが、「ルールを守らなければいけない」ということは誰しもが頭では理解できていることですし、心理学の話を知ったところでそれを守るかどうかは結局のところトレーダー次第、ということになってきますので★2つになっております。

プロスペクト理論はトレーダーの難敵

プロスペクト理論とは、人はリスクがある状況下では正常な判断ができないという理論です。

プロスペクトは「見込み、展望」といった意味があります。

トレードに置き換えて言うと、トレーダーはポジションを持った瞬間から判断力が鈍っていると言ってもいいと思います。

 

KATORI
ルル

つまり自分の都合のいいように解釈しがちだということだね。

まあ自分の買いポジションが上がってほしい、と思ってしまうことは至って普通の感情だからねえ。

 

感情はトレードにおいては邪魔な存在になることがほとんどですが、上がってほしいと期待してしまう感情を押し殺すのは無理でしょう。

ですから感情をコントロールできるようにポジションを小さく持ったり、しっかりと検証を行って確率や期待値が高いトレード手法を作る必要があるのです。

プロスペクト理論の中でも最も厄介なのが損失回避性です。

損失回避性でひどい損失になる

損切りの記事ですでに紹介をしていますが、人は損失が大嫌いです。

損切りの重要性
個人トレーダーは損切りが苦手な人が多い。その理由は、人は利益を得る喜びよりも損失を抱える痛みや恐怖の感情の方が、はるかに強いものだからである。そのメンタルを正常に保つためには、適切なロスカット幅に設定を常にし、エントリーの根拠を明確なものにすることである。

 

同じ金額の利益と損失ならば、損失の苦痛の感情が勝ってしまうのです。

損切りラインをしっかり設定したのに、いざその価格まで下がったら損切りを躊躇してしまうという経験が皆さんもあるのではないでしょうか?

その原因の正体はコイツです。

頭では「ここでルール通り損切りしなければならない」

と理解していても、「もう少し待てば戻るだろう」という根拠の無い期待をしてしまいます。

損失回避性によって、損切りしなくてもいい理由探しを勝手に行いだすのです。

 

KATORI
ルル
 

まさに天使と悪魔が囁いている感じだなw

この悪魔の囁きは本当に厄介な存在だと言えるでしょう。

資金管理の記事でもお話をしましたが、たった1回の失敗で大変な損失を抱えてしまうこともあるのですから。

資金管理は絶対に徹底しなければならない
資金管理はトレードにおいてもっとも重要な知識と言える。なぜなら、資金管理を徹底しないと退場、最悪の場合は借金生活ということになってしまうからである。ハイリスクな銘柄に信用全力などを行うと、高い確率でそういう事態に陥ってしまうだろう。

 

損切りを躊躇し、ナンピンをし、含み損に耐えられなくなって塩漬けしてしまう。

最悪のループですがやってしまう人も多いのではないかと思います。

 

損失回避性は利益が出ている時もトレーダーの邪魔をしてきます。

頭では「プラン通り利確ラインまで引っ張るぞ」と理解していても

「今売らないとどんどん下がってしまうかも」という不安感の方が感情として強いのでプランに反して利確をしてしまうのです。

 

KATORI
ルル

これがチキン利食いの正体だねー

こうやって感情のままトレードをすると損大利小のトレードになりやすいんだ。

 

損失回避性の対処法も、自分が心底自信を持って戦えるルールを持つことです。

もう1つは、繰り返し失敗をすることで段々やらかさなくはなります。

ただ、先ほども言いましたがこんな事を繰り返していると遅かれ早かれ退場に追い込まれます。

そうなる前に早く直すようにしてください。

今日から、今すぐ、と誓って相場に挑んでください。

感応度逓減性は金銭感覚のマヒ

プロスペクト理論の1種である感応度逓減性(ていげん)も厄介です。

これは状況によって金銭感覚がマヒしてしまうような性質のことです。

 

トレードで2万円の含み損を抱えていたとしましょう。

今すぐ損切りをしなければならないにも関わらず、2万円の損切りにとても苦痛を感じて損切りができませんでした。

その後さらに相場は暴落をし、含み損がなんと18万円になってしまいました。

こうなると「どうでもいいや」という感情が働いてまともな判断力が無くなってしまいます。

その後含み損が18万円になったり20万円になったり、あるいは16万円になったりしても

「2万円ぐらい減ろうが増えようが大して変わりない」という考えになってしまいます。

 

KATORI
ルル
 

トレーダーって実際の買い物では千円単位とかで値段気にするのに、相場では平気で何百万とか動かすからつくづく不思議なもんだよね。

正常性バイアスは実生活でも注意が必要

自分だけは大丈夫、と根拠なく思うのが正常性バイアスです。

9割が負けると言われている世界で自分だけは大丈夫と思ってしまうのは愚かです。

いわゆる億トレも退場に追い込まれることがあるのがトレードの世界です。

(もちろんフルレバ全力で短期間で億トレになった人は、退場しやすいのですが)

いつ何が起こるのかわからない、という意識はどんな時も持っておかなければなりません。

 

正常性バイアスはよく震災の時の逃げ遅れの要因の1つと説明されることが多いです。

大地震があり、避難警報が流れても「この地域は大丈夫だろう」という正常性バイアスによって逃げ遅れる人は多いと言われています。

ですからトレードだけでなく、実生活でも正常性バイアスに陥っていないか、という感覚は持っておきたいですね。

同調バイアスを理解して利用しよう

同調バイアスは多数派に属することで安心を感じてしまう心理です

相場というのは天邪鬼ですから、大勢が予想していないタイミングで暴騰や暴落をするものです。

大勢が思っている展開にはなりにくい、のが相場であると思っておいてください。

ということで、多数派に属してしまったら逆に不安を覚えるようになってください。

少数派でいたいというマインドを身に着けてください。

もちろん、なんでもかんでも大衆の逆張りをするという話ではありません。

ただ、自分が多数派に属してしまった時は警戒を怠らないようにしましょう。

相場はいつだってサプライズを好むものなのですから。

投資心理を学ぶならゾーン

トレードにおけるメンタルのついて学びたいのであれば、ゾーンは絶対に読むべき本でしょう。

ゾーン — 相場心理学入門
ゾーン — 相場心理学入門

メンタル本といえばこれ、というぐらい有名で名著と言われています。

トレードにおけるメンタルの要素、知識はこれ1冊で全てカバーできると言っていいでしょう。

訳がちょっと、ってところもありますが、それでも読むべき内容となっています。

トレードにおけるメンタルの話まとめ

今回のプロスペクト理論、特に損失回避性については耳が痛い内容となったのではないかと思います。

これらの知識を理解していても、なかなかプロスペクト理論を克服するのは難しいかもしれません。

最終的に重要になってくるのはあなた自身のルールを絶対に守る、という鉄の意志です。

そこばかりは自分でどうにかするしかなく、頑張るしかありません。

ですが、こういうサイトをまじめに見に来る勉強熱心なあなたなら問題ないと私は思います。

勝ちたいのであれば余計なトレードはせず、一貫性のあるトレードを繰り返しましょう。

一貫性のある、同じやり方のトレードを繰り返すことでトレードは上達をします。

まずは上達をすることを目指しましょう。

稼ぐのは上手くなってからでいいので、あせらずゆっくり上手くなってください。

プロスペクト理論なんかに負けて資金を失っている場合ではありませんよ。

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