リスクリワード比と期待値についてはすでに「勝ち組トレーダーになるための考え方」の記事で紹介した通りですが、今回はその中身についてもう少し詳しくお話をしたいと思います。

トレーダーはそれぞれ性格が違うので、自分に合った手法というのは個々に違って然るべきです。
勝率を高めるか、それとも利益を大きく狙うかという選択だけを考えても、どちらを重視するかはその人次第で変わってきます。
どちらが正解かではなく、どちらも手法として成立します。
今回の記事が皆さんの手法の確立の助けになれればと思っております。
期待値=勝率と損切りと利益の3つ
期待値を考えるにあたっては、勝率と損切り幅と利益幅の3つで考えなければいけません。
例えば、損切り幅と利益幅が全く同じであっても、勝率が50%を超えればそれは期待値プラスのトレードになります。(手数料等を考慮しない場合)
手法がまだ定まっていない方は、自分が目指したいトレード手法がどういうスタイルなのかをよく考えましょう。
手法が定まっている方は、自分のトレード手法の勝率とリスクリワード比はどのぐらいなのかをよく知っておくようにしてください。
そして1度はバルサラの破産確率の確率表と照らし合わせてみることをお勧めします。
バルサラの破産確率とは
バルサラの破産確率は自分のトレード手法が果たしてどのくらいの破産確率があるのか、またどのくらいのポジションを持つのが適切なのかを教えてくれます。
GEMFOREXより引用
こちらがバルサラの破産確率表になります。
こちらのケースでは資金の10%をトレードにあてています。
左の損益率がリスクリワード比、上が勝率となっています。
目指すべきは破産確率がまったく無い0.0%の部分です。
となると、損切り幅に対して利益が2倍のトレード(損益率2)であっても、6割の勝率が求められるということになりますね。

現実的には損益率は1.5~2ぐらいを目指す感じだろう。
そうなると7割ぐらいは勝率が欲しい感じになるなあ。
ただし、これが例えば資金率100%となるとさらに内容は変わってきます。

GEMFOREXより引用
ご覧の通りどんなトレードを行っても破産確率があるということになります。
ちなみに勝率100%であれば破産確率も0%になるのですが、勝率100%の手法は無いのでいつかは破産するという結果になってしまいます。

資金100%ってのは全力ってことになるから、まともなトレード判断もできなくなる。
つまり表以上に破産する確率が上がると言えるだろう。
資金管理の記事でも説明した通りですが、資金管理がいかに重要かがわかる表ですね。

バルサラの破産確率表を見るとどうしても勝率にフォーカスしがちですが、ポジションを小さくして大きい利益を狙うのもアリです。

GEMFOREXより引用
こちらは資金率が1%の場合になります。
こうなるとかなり手法の幅が広がりそうですね。
勝率を取るか値幅を取るか
余裕資金で行うのであれば高い勝率のトレードを目指してもいいし、勝率は低いけど大きい値幅を狙うトレードを目指してもOKです。
どちらを選ぶかは個々の性格によるかとは思いますが、おそらく圧倒的多数は勝率の高いトレードを目指したいのではないかと思います。
初心者の方は特に高い勝率を目指しがちです。
しかし、おそらく勝率を高めることを目指してもせいぜい70%ぐらいになるのかと思います。
勝率を高めることに固執すると、負けを認めたくない心理も働くので注意が必要です。
私自身は勝率が70%程度で、損益率1.5~2ぐらいな感じです。
低い勝率で大きな値幅を狙うトレーダーは圧倒的少数派です。
しかし、こういうトレーダーがもっとも稼ぐトレーダーなのかもしれません。
SNSなどを見ていても、1年で資産を10倍に増やすような派手なパフォーマンスを残す人はこのタイプが多いように思えます。
ただしこのやり方は何連敗しても動じない事が求められます。
コツコツヒットを狙うか、ホームランを狙うか、自分の性格とよく相談して手法を決めましょう。
ブレイクアウトの手法はホームラン狙い
少しテクニカル分析の話もしておきましょう。
ブレイクアウト手法とは強いレジスタンスラインを上抜いたところで買うという手法です。
とりわけ過去に大きく出来高ができたような天井をブレイクして新高値を取るには、かなりの買い圧力がなければいけません。
ホームラン狙いの手法では、このブレイクアウトがメジャーな手法と言われています。
上のチャートの水色の円のあたりで買いエントリーを狙うのがブレイクアウト手法です。
大相場では必ずブレイクアウトが起こりますから、それを狙ったエントリーですね。
ただし負ける確率は高いので、上に飛ばなかったらすぐに損切りを実行できなければいけません。
おそらく毎回のように損切りで終わってしまうトレードになるでしょうが、たった1回の利益でプラスになるようなやり方です。
上のチャートではそこまで上昇しませんでしたが、このままストップ高が連続して何倍にも上がるような動きもよく見られます。
そういう時には資産を一気に増やせることになるでしょう。
逆に高い勝率を求めるトレーダーであれば、新高値を買っていくブレイクアウトは絶対におすすめできません。
ほとんどのケースが高値掴みとなって負けてしまいますし、損切り幅の設定も難しいものになるでしょう。
リスクリワード比と期待値まとめ
今回はリスクリワード比と期待値の話をバルサラの破産確率表を用いて説明をしてきました。
トレードは期待値で考えるという思考は勝つために絶対に必要になってきます。
しかし、ただ期待値の高いトレードをするだけでは破産する確率もあるということをバルサラの破産確率表は教えてくれています。
資金管理を徹底しつつ期待値の高いトレードを行う。
ぜひ破産確率0.0%のトレードを目指していきましょう。
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