トレンドラインを使うトレーダーは比較的多く、特にアメリカでは重視されているようです。
どちらかと言うと株や先物よりもFXで使われることが多いかと思います。
トレンドラインはそれ単体で使うものではなくダウ理論や水平線と併せて見ていく必要があるので、使わなても支障の無いツールだと言う事もできるでしょう。
しかし、トレンドラインのブレイクはトレンド転換の最初のサインである、と私自身も師匠に教わりましたしそれはその通りだと思います。
ただしトレンドラインのブレイクだけではトレンド転換と断定するには早すぎる場合も多く、他の材料も見ていく必要があるでしょう。
今回はトレンドラインの引き方やブレイクの判定、信頼度などについて解説を行っていきます。
間違ったトレンドラインの引き方一例
トレンドラインの引き方は安値(高値)同士を引き、最低2点の谷や山が出来上がれば、トレンドラインを引くことができます。
トレンドラインの引き方はトレンドに沿って引く必要があり、引き方についてはルールが決まっています。
意外と間違ったトレンドラインの引き方をしている方を見かけるのですが、下のチャートでのトレンドラインの引き方はどこが間違っているでしょうか?
この時点ではまだ上のトレンドラインは引けません。
水色の円で囲った安値をこの後割れば上のトレンドラインが初めて引けるようになります。
この時点ではトレンドラインはこのように引きましょう。
起点の上ヒゲから2つ目の水色の円の上ヒゲを結びます。
3つ目の水色の円でもピタリと反発があったということは、このトレンドラインは相場参加者から意識されている可能性が高いと言えそうです。
ちなみにアメリカでは1番外側に引けるトレンドラインの他に、その内側にもトレンドラインを引くやり方をトレードスクールで教わるみたいです。
外側のトレンドラインをメジャートレンドライン、内側のトレンドラインをインナーラインと言います。
もちろんメジャートレンドラインの方がより注目されるトレンドラインであり、ブレイクした時のインパクトは大きいでしょう。

インナーラインの方は急角度になりやすくなり、ブレイクしてもトレンド転換の信頼性はそれほど高いものではないだろう。
ただし、利確の目安にするなどの使い方は有効的だ。

有効的なトレンドラインとは?
先ほども少し触れましたが、トレンドラインは相場参加者に意識されているかどうかが重要です。
意識されているトレンドラインであれば、ブレイクした時のトレンド転換の確率も高まるし、逆に意識されていないトレンドラインであれば、ブレイクしたとしてもその意味は薄いでしょう。
最初にトレンドラインは山や谷が2つできれば成立すると説明しましたが、2つよりも3つ、3つよりも4つ…と反応が多ければ多いほどそのトレンドラインは意識されていると言えます。
また、同時に長時間かけて機能してきたトレンドラインほど意識されているものと言えます。
トレンドラインのブレイクの定義は?
一瞬の長い下ヒゲなんかでトレンドラインをブレイクしている場合はどう判断すればいいのでしょうか?
テクニカル分析の辞書として有名な「先物市場のテクニカル分析」ではこの問いに答えはないと書かれています。
下ヒゲは無視して考えた方がいい場合もあるし、改めてトレンドラインを引きなおした方がいい場合もあるとされています。
では、下ヒゲではなくローソク足の実体でしっかりブレイクしていればトレンドラインのブレイクなのか?
この問いにも「先物市場のテクニカル分析」にはそれがすぐにトレンド転換につながるとは限らないと書かれています。
このあたりの判断にはある程度主観が入ると説明されています。
こういったところにトレンドラインの曖昧さがあるな、というのが私のトレンドラインに対する印象です。
主観で見方が変わってしまうので、結局は人によって使い方が変わってきてしまうのです。
その点ダウ理論では明確に押し安値や戻り高値という重要ポイントが存在し、その価格を抜くかどうか、という点だけを見ればいいので主観が入りません。
ですからトレンド転換はダウ理論で見るのがベストである、というのが私個人の考え方です。

ちなみに先物市場のテクニカル分析は名著だから絶対に読んでほしい
1冊だ。
これ1冊でほとんどのテクニカル分析が高いレベルで理解できると言っていいと思う。
先物市場、と書いてあるが株でもFXでも適用可能だ。
最近では「マーケットのテクニカル分析」として新しく出版されているみたいだから、どちらを読んでもいいと思う。


トレンドラインの応用チャネルラインを活用する
トレンドラインは山や谷が2点作られた段階で引けるものですが、そのトレンドラインに平行したラインをチャネルラインと言います。
トレンドラインとチャネルラインの間で価格が継続して動いていく、というパターンは比較的よく見られ、あらかじめチャネルラインを引いておくことで、利確の目安として活用することもできます。

上の例で言えば、トレンドラインを3の段階でまず引いておく。
そしてトレンドラインと平行したラインを2から引いておく。
そうすると、4に価格がきたところで反転するイメージが湧きあがりやすい、ということだな。
ちなみにエリオット波動のインパルスもトレンドラインとチャネルラインの間に収まる形が多い、とされています。

チャネルラインもトレンドライン同様に、何回も機能したものほど、また長時間かけて効いてきたものほど信頼性が高まります。
チャネルラインのタッチで逆張りを仕掛ける、という手法もありますが、逆にチャネルラインをブレイクしてきた時は注意しなければいけません。
それはこれまでのトレンドに増して、さらに強いトレンドが出てきている形となっている可能性が高いからです。
トレンドラインの使い方まとめ
トレンドラインやチャネルラインを使った手法はFX界隈ではかなりメジャーな手法となっています。
一方で株や先物においてはあまりメインに使っている人を見かけません。
投資対象によって重要になってくるテクニカルはやはり若干は変わってくるものもあるかと思います。
トレンドラインはその色が特に強いのかもしれません。
私自身もそれほど多く活用するわけではないので詳しく手法を解説することができないのですが、もし興味があるようであれば、FX界隈の方々の解説を参考にされてみることをお勧めします。
FX界隈の方々は自身の相場分析などを惜しげもなく発信してくれる方が多いです。
例えばTrading Viewでは、ユーザーの相場分析をいくらでも見る事ができますので、1度ご覧になってはいかがでしょうか?
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