エリオット波動(各波と大衆心理)

テクニカル分析
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重要度 ★★★

チャートを見る上で大衆心理をイメージすることはとても重要になります。

今ほとんどの買い方は「含み損がやばい、早く戻ってきてくれ」と思っているんじゃないかとか、「この辺まで利益を引っ張れれば十分かな」と思っているんじゃないか、などとイメージをしてチャートを見るくせをつける事はお勧めします
 
今回はエリオット波動の上昇の第一波から第五波までの動きの中には、どのような大衆心理が潜んでいるのかについて解説を行っていきたいと思います。
 
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第一波「期待と不安の入り混じり」

まずエリオット波動の基本的な知識については、以下のページの内容をきちんとおさえておいてください。
 
テクニカル分析の基本③ エリオット波動
エリオット波動を使う最大の意味は、無機質なチャートを波動として認識することにある。チャートは複雑に、細かく上下を繰り返し動くものであるが、その動きを1つの波動の動きとして認識することでチャートの動きをパターン化することができる。

 

N字の記事の中で私は「波は3波構造で見ていくべき」という話をしましたが、ここではあくまでもエリオット波動のオーソドックスな第五波までの動きについて解説を行っていきます。

さて第一波という波は通常、トレンドを転換させる波と言われています。
株の世界においては、ダラダラと下落トレンドが長らく続いていた銘柄が、突然ビッグニュースなどの材料を伴って大きく上昇するような動きになります。
 
 
第一波を狙って取ることはほぼ不可能と考えるべきだし、慌てて追っかけエントリーをするのもお勧めできません。
 
なぜなら、第一波の中ではまだまだ売りを狙ってくる勢力が大勢いると考えられるからです。
 
 
ルル
ルル
これまでずっと下落トレンドだったわけだからな、どうせまたすぐ下がると考えている相場参加者は多いってことだな
さらには直近の買いで捕まってる買い方も多いわけだから、そいつらのやれやれ売りも降ってくると考えるべきだ。
 
 
 
 

第二波「不安が加速する下げ」

第一波のところでほとんど説明してしまいましたが、多くの新規の空売りと直近の買い方のポジション整理これらの売り圧力によって第二波は通常かなりのきつい調整になると言われています。
フィボナッチリトレースメントで言えば61.8%以上の押しになりやすく、エリオット波動の修正波の形で言うとジグザグの形になることが比較的多いです。
修正波の形については以下の記事を参考にしてください。
 
実践的なエリオット波動の使い方
エリオット波動ではインパルスとダイアゴナルの推進波がある。またジグザグとフラット、そしてトライアングルの修正波がある。大別するとこの5種類で相場の全ての動きを分類できるというのがエリオット波動の考え方である。
 
瞬間的にスピードを伴った下げになることも多いので買いエントリーは慣れないうちは難しいのですが、ここはエントリーを狙う価値があります。
 
そして第三波の一番おいしい動きをしっかり取るわけです。
 
ただし、もちろん想定と違って下げが止まらず第一波の起点を下に割ってしまったら損切りが必要になります。
 
 
ルル
ルル
その場合は第二波ではなかった。というかそもそも第一波という認識も間違っていたことになるからな。
エントリーの根拠を失ったら損切りをする、という基本は常に忘れずに。

第三波「トレンド転換の確信」

エリオット波動におけるインパルスの形では多くの場合、第三波が最強の波になります。
 
通常出来高はもっとも多くなり、押しがほとんど見られないほどの上昇を見せることもよくあります
ここでは高い確率で需給の偏りが見られます。
 
つまり、売り枯れの状態になることが多いのです。
 
 
ルル
ルル
第一波の中で買い方のやれやれ売りを吸収し、第二波の中では新規の空売りを吸収した。
売りたい人はほとんどみんな売り尽くした状態だろうなー
 
需給が買いのベクトルに一気に変わっていくため、第三波は強い動きになりやすいのだと思います。
 
さらに第一波の高値を更新すると、ダウ理論上のアップトレンドに明確に転換するということになります。
 
そこでさらに新規の買いを入れてくるトレーダーも多く、第三波はグングン伸びていくことがよく起こるのです。
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第四波「膠着状態、様子見のターン」

第四波では、横ばいの動きがよく見られます。
第二波が価格調整だったのに対し、第四波は時間調整になる事が多いです。
出来高も細り、はっきりしない動きになりがちで、レンジやトライアングルの波形になる事もしばしばあります。
第四波では、買い方も売り方もトレンドがこのまま続くのか迷っている段階と言えるでしょう。
多くのプレイヤーが様子見をしているターンというわけです。
 

第五波「懐疑の中の上昇」

第五波は、高値を更新したもののなんだか強い感じがしない、といった上昇になる事が多いです。
出来高も通常、第三波と比較して小さくなります。
ここでは多くのトレーダーが「天井がそろそろ近いのではないか」とおそるおそる買いポジションを持っている事が想像できます。
第五波は価格も第三波の高値を少しだけ更新したところが天井になることも多く、稀に第三波の高値を更新できないパターンもあるとエリオット波動では言われています。(フェイラー)
天井をつけたあとは、比較的かなり強い下げがやってくるパターンが多いので注意が必要です。
特にダイアゴナル形成後は、その特徴がよく見られます。
ここでは、多くの買い方が警戒をしながらポジションを持っている状態なので、少し下がれば一気にチャートが崩れるのだと思います。
また、第一波や第三波で大きく買ってきた大口が、利確をあらかた終えて最後の買いポジションを一気にぶつけてきているのではないかと思っています。
 

各波と大衆心理まとめ

このように第一波から第五波の中にはプレイヤー達の思惑が色々と渦巻いていて、そして移り変わっていきます。
もちろん先ほどの見解が全て正しいわけではないでしょう。
でも、このような視点を持って常にチャートを見ていくことはとても有効的です。
全てのチャートにはプレイヤーのポジションが絡んでいて、そこには必ずプレイヤーの心理が反映されているのですから。

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